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pochiの雑記帖です。思いつきで書いたり書かなかったり。
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ご想像の通り、ほぼ死んでおりました。
 
かなり覚悟して臨んだにも関わらず
そして内容もすべて、ほんとうに予想通りだったにも関わらず
かなり衝撃を受けました。

正直、今現在わかっていることで
まともな感想書ける気がしないです。

すくなくとも6話を見ないことには
なんとも言えないことが多すぎます。

気持ちが宙に浮いたままの現在の印象で、になりますが
初見の感想を書き置いてみたいと思います。









今回はいきなりOPからスタートでした。
こういうのって何かヤバいことの起こる回っぽくない?^^;


夜の森の中。

鳥の鳴き声、葉を打つ露の音。
流れる湧水のざわめきや獣の駆ける音、生き物の呼び合う声も、
私たち「音の世界に生きるもの」にとっては
むしろ自然の美しい競演のように聞こえる、癒しの調べであるはずなのですが。

これまで一切無音の世界しか知らずに生きてきた百鬼丸にとっては
脅威でしかないんでしょうか。

「あにき!」

中でもどろろの呼ぶ声は近すぎて、
ビクっと身を震わせて耳を一層ふさぎ、ばったりと伏してしまう。

どろろははっとして口を押さえ、
少し小声で大丈夫かい?と尋ねる。

「ここでもダメなのかよ、静かすぎて怖いくらいだけどなぁ」

人里はあまりにうるさすぎて耐えられなかったのね。
こんな様子だとどろろはさぞ、あにきを連れて歩くの大変だったかも。

焚火の前に倒れ込む表情。

こんな虚ろなあにきは胸が痛む。

焚火の中で木の爆ぜる音にすら身構えてしまってる。

人の脳というのはよくできたもので、
要る音、要らない音、を
無意識に判別して聞き分けているらしいですね。

補聴器初めてつけた方が
一切合財同じボリュームで聞こえて相当戸惑うのだそうですが、
やはり脳の慣れが必要で、
そのうち人の話し声を選んで拾い、
周囲の雑音、伴奏のようなものを意識外に置くことが
ある程度できるようになるのだそうです。



「音、それは、これまで百鬼丸が取り戻したどの感覚よりも衝撃だった。
 容赦なく頭の中に入り込んでくる無数の振動の中から
 取捨選択などできるはずもなく、
 百鬼丸はただ、音の洪水に溺れていた」


どろろが布を取り出し
あにきの頭に巻いてやってます。
あの姉さん被りみたいなのってなんだろうと
随分前から皆さんで気にしてましたけど
聞こえすぎるのを少しでも抑えようと
どろろが巻いてやってたんですねー^^

あにき、何コレ?って感じに不思議そうに触ってみてるの可愛いね。
それを見て笑ってるどろろも可愛いーvv

嫌がって取っちゃわないトコ見ると
結構用をなしているってことかな(笑。


「あにき、やっぱり今回の妖退治はやめとこうか。
 礼金いいからもったいねぇけど、こんな調子じゃ」

えっマジ?
この森に来たのって人里の喧騒を避けて、ではなくて
化け物退治に、だったの?

どろろ~^^;

こんな状態のあにきを連れて
それでも化け物退治情報仕入れて
マネージメントしようとしてたってことですか。
商魂逞しいなオイ。

あにきの感覚奪還の戸惑いとか
どろろの振る舞いとか
リアルだよねぇ、ほんと。


 
ふと、何かに気づいたように左に首を巡らすあにきに
どろろも出たのか?とそちらを向く。

あにきアイでは、魂の赤い鳥が急速にこちらへ迫ってくる。

「出たあ!」

鳥はふたりの間に突っ込んできて、
風圧でひっくり帰るふたり。

はい、今日も安定のフンチラありがとう。


「きたぁ、鳥の妖、でけぇ!」

仕込み刀、両手同時抜きがカッコいいあにきですが

鳥の翼の轟音に戸惑っているのか、位置がつかめない感じ。
まともに突き飛ばされてしまいます。

木の枝の折れて落ちる音に気を取られてしまい、
鳥の動きに対応できません。

「あにき、音なんか気にすんな! 左だ!」

って、どろろが言ったら
左向いたよ!?

あにき、言葉結構わかってきてる?

これ、明らかにどろろの言ってる意味わかってるよね。

そうか、赤ん坊じゃないし、
これまでもなんとなくわかってもいただろうから
そこに聴覚が加わると
点と点がつながるように
色々なことがあにきの中で腑に落ちて結ばれていく、
みたいな感じなのかもしれない。

意外と早く「会話」になるのかもしれないな。


どろろのサポートで一太刀浴びせたものの、
両肩を爪に掴まれて苦悶の表情。
なんとか斬りつけて爪から逃れるが落下。

かなり出血しているように見えます。

心配したどろろが駆け寄りますが、そこへまた鳥が迫ってくる。

どろろはあにきを庇うようにして、鳥を睨みつける。
おいらのあにきに何すんねん!みたいな。

騒がないで睨むところがらしいというか
度胸の据わったお子ですな。

絶体絶命、というところへ琵琶丸さん登場!!
わーい待ってたよおっさん!!

あっという間に鳥を斬りさばき、鳥は焚火に突っ込んで派手に昇天。

なにこのカッコよさ。
シビレルじゃないか!!

どろろがあにきを風圧や火の粉から庇ってる感じも素敵v

「おや、ぼうやたちだったかい、奇遇だねぇ」

ほんとに偶然?
ほんとは心配で後追って来てたんじゃないのー?笑


「あにき、しっかりしてくれよ! あにき、おい!」

無反応になってしまったあにきを揺さぶって慌てるどろろ。

あにき、目開いたままだからわかりにくいけど
気絶しちゃった?

琵琶さんも仕込み刀を収めながら、心配そう。

恐らくは怪我を察したのだと思うのですが、
あにきの魂に、何か変化があったのかなぁ、と
ちょっとビクビクしてしまう。

ともあれ、ここで琵琶さんが合流してくれたことに
心底ほっとしてしまった。

少なくともあにきがこんな状態では
琵琶さんいてくれないとほんと見てて心細い。。



焚火の向こうには切断された妖鳥が転がってます。
一瞬食ってるのかと思ってしまった^^;

しかし動じない人たちだな。

「そうかい、耳がねぇ。よかったじゃないか」

「よくなんかねぇ。聞こえるようになったせいで、
 あにき、弱くなっちまった」

えっ、、こういうこと言ってほしくなかっっ…

私『身体を取り戻すと弱くなる説』指示してないんで。
(この問題ここで語ると更に長くなるのでいずれまた)
 
「そうかい?」

琵琶さんは、んん?て感じに聞き返す。

あっ、よかった、
多分琵琶さんこの先フォローしてくれそう。感謝!

表層見るとそういう考えを持ってしまいがちなのを
そうじゃないよ、って、
琵琶さんがいることで自然思わせてもらえそうかな、新アニメ?

琵琶さんの否定ありきのどろろのセリフだよねここ?

巷になぜか流布する「取り戻すと弱くなる説」を
払拭してくれたらありがたいな。


「だって、坊さんでもあんな簡単にやっつけられる妖に
 こんなにやられちまってさぁ」

「こいつはご挨拶だ!」

これはちょっと笑った^^

どろろ、まだ気づいてないのかもしれないけど、
多分その坊さん、どうかするとあにきより強いよ。


まあ、このときのどろろにしてみたら
「おいらを助けてくれた強いあにき」っていう
言わばヒーローのようなあにきの万能さが脅かされたことと、
聴覚が戻ったあにきのあまりにつらそうな様子に
子供らしい不安と憤りを感じてしまっていて
単純に口から出てしまった一連の言葉なんでしょうけど、
琵琶さんがそれを承知で受け止めてくれててありがたいなと思った。

「なあ、あにき、大丈夫だよな」

「急場はしのいだよ」

ああ、琵琶さん手当してくれたんですね。
あにき、寝かされてます。
これ、あにきのマント?の上かな?
結び目のとこ、こうなってたのか。

薬が欲しいとこだが、という琵琶さんに
どろろは川向うの大きな町にひとっ走り行ってこようか、と言いますが
戦がありそうだからおよし、と止められる。


「この辺りを治める酒井って武将が同盟国を裏切ったとかでね、
 ふたつの軍が睨みあいさね。
 そんなところにあたしらみたいな余所者が近づくのは剣呑だ」

ここ、酒井領なんですね。
国境のあたりをウロウロしてるんだ。

やはりこれ、ばんもんの巻の前フリでは。


琵琶さんは戦が始まる気配を感じて引き返してきて、
ふたりに再会した、というわけのようです。

「武士ってのはなんでそんなに戦が好きなんだよ!」

どろろが声を荒げると、
無反応だったあにきがうるせぇな、って感じに両耳を覆う。
露骨にイヤな顔して向こうに寝返りうっちゃうから
笑ってしまった。

人間らしい反応っていやそのとおりだし、
どろろに過剰反応してると思うだけでもなんか可愛いじゃないの^^

「ああ、うるさかったか、ごめん」
と口を押さえるどろろ可愛い。
というかよくできた子だ。

琵琶さんはどろろにそこまで気を使わせるあにきに
ちょっと思うところあるっぽく感じる。


動くんじゃないよ、傷が開いちまう、
とあにきの肩に手をかけて仰向けに戻そうとしますが
あにきは拒絶するかのように肩で払う仕草。

「まったく、穴倉にこもった手負いの獣ってとこだね」

と言いながら、少し乱暴にあにきの手首をつかむ。
あにきも歯を食いしばって抵抗。

琵琶丸さん、そいつは木刀で化け物潰す腕力の持ち主ですが、、、
あなたも相当な力持ちですな^^;

「いいかい、これは人の声だ。
 周りにあるのは、森に生きてるもんや、火や風の音さ。
 おまえさんは慣れなきゃいけないよ!
 穴倉から、この世に出るためにはね!」

諭す琵琶さん。

ああ、なんてありがたい人なんだ。
どろろひとりじゃこういうことはどうにもならない。
琵琶さんがいてくれることで
ふたりともすごく救われてる。

今のあにきはほんとに手負いの獣で、
センサー系のいくつかを取り戻したショックで頑なになってしまってるけど
後にはきっと琵琶さんの言葉に感謝することになるんだろうな。

そのときにはもしかして
年下のどろろにバツの悪さ感じたりするのかもしれないけど、
それもまたよし、と思うし、
逆にどろろには我儘や甘えが出るまんまの
気安い関係性を持っていってくれてもいいなって思う。
ほんとの兄弟みたいにさ^^


琵琶さんの言葉がどの程度わかっているのか不明だけど、
今現在はほっといてくれ、みたいな感じなのか
強くその手を振り払う。

「あにきっ…

 けが人なんだぞ!無理させんなって」

どろろ優しい。
声うるせぇってマジ嫌な顔されてんのに優しい;_;

それを見て琵琶さんがちょっと笑うのもいい!


「あにきはまだ仏さんになるわけにはいかねえんだからよぉ」

そしてあにきは
どろろの優しさに甘えているので(笑)
またうるせぇって感じにお耳ふさいでおります。

あにきの中では「どろろ=うるさい」が確定してるvv

「どろろの声=こにくらしいイメージ」ってなっていきそうvv

これはもう目を取り戻したときの

「お前ってそんな顔してたのか、案外可愛いな。
 もっとこにくらしい顔かと思ったぜ」

への伏線ではなかろうか?

だといいなぁ。笑。

これまでのところ何か取り戻して嬉しそう、ということがないので
せめて目くらいは原作のようにはしゃいでどろろを口説いてほしい←




翌朝。
ふたりが寝ているうちに
歌声に気づいて立ち上がるあにき。

どろろよだれ垂らして寝てるvv

鳥のさえずりに交じって、
きれいな歌声が聞こえてくる。




赤い花摘んで あのひとにあげよ
あのひとの髪に この花さしてあげよ
赤い花赤い花 あのひとの髪に
咲いてゆれるだろう お陽さのように

白い花摘んで あのひとにあげよ
あの人の胸に この花さしてあげよ
白い花白い花 あのひとの胸に
咲いてゆれるだろう お月さんのように

赤い花ゆれる あの娘の髪に
やさしいひとの ほほえみにゆれる
白い花ゆれる あの人の胸に
いとしいひとの くちづけにゆれる
くちづけにゆれる


「赤い花白い花」中林三恵作

1960年代から唄われていて、
1970年に発売された楽曲だそうです。

寂しいような、懐かしいような、切ない曲ですね。
オリジナルではなくて、既存曲使ったんだな。

でもこれ子守唄じゃなくない?
ラブソングでは。

3番の歌詞からして、
あにきとミオちゃんのキスシーンありそうな気がしてきた。

(公式でミオ、とカタカナ表記でしたので
 今後新アニメでの彼女はミオと書きますね)

原作では亡くなってからあにきが口づけていますが、
新アニメでは彼女が生きているうちにある?
なんにしろ次回は触れ合いがもっとありそうだな。

あにきにとっては人生に初めて介入してきた異性ですからねぇ。

百どろ脳としては一抹、抉られる想いもあるにはあるのですが
ミオちゃんとの恋は百鬼丸必須みたいなものなので
それはそれで淡く切なく美しくしっかり描いてほしいと思う。

ただ、
こんなあにきの危うい状態で、
リアル進行で見るの、かなり切ないのは確か。

そしてまた、今まで声優さんが発表されないので
てっきりミオちゃん、しゃべれない設定なのかと思っていたんですが
(前にここでも書いたのですが、
 私は原作のサンデー版の表記から
 原作のみおちゃんはしゃべれない子なのでは、と思っていた)

なんと、ミオちゃんの声優さん、水樹奈々さんでした!
いや、唄巧いどころの騒ぎじゃないじゃん。
ていうか唄で食ってけるレベルじゃん。。




「なんともしん、とした声だねぇ」

琵琶さんも起きていたようです。

まだ動いちゃ危ないよ、と声をかけますが、
あにきはフラフラと声のするほうへ
引き寄せられるように歩いて行ってしまう。

やれやれ、と琵琶さん、どろろの足を軽く蹴って起こそうとする。
このシーン好きv

「こんな固いの食えねぇよ…」

と、どろろの寝言。指はむはむしてるーv



あにきアイでは、林の向こうに白く揺れる炎が視えます。
それが声の主だとわかり、近づいていくあにき。

きれいな音だな、って思ったんでしょうね。
聞いたこともない、きれいな、儚げな、寂しげな、調べ。

この音なら嫌じゃない、聞いていたい、って。


川に半身を浸すようにして洗っているミオちゃんの姿。

私この姿見た瞬間涙が出てしまった。

だってこれって、そういうことでしょう。

あにきはもちろん、まるでわからないわけだけど。

こんな朝に川に入って、下半身洗ってるんですよ。

あにきが初めて出会ったときの彼女が
こういう場面だとは。

彼が知らないことを、見えないことを、
視聴者にこんなにも意識させてくるだなんて。



今回ミオちゃんの描写、かなり衝撃的でした。

予告から、
このあとの展開がかなり「そのこと」をはっきり描いてあるだろう、
というのは
もうわかっていたのだけど。


原作既読の方はご存じと思いますが、
原作ではみおの「仕事」について、
当時の少年誌ですし、ぼかして描かれています。
何がしか雑兵にひどい扱いを受けているらしき描写があるのみです。

辻版小説は対象年齢が低めなので、一切このエピソードはありません。

鳥海小説は詳細です。
かなりはっきりと、美緒(作中表記)が
野盗を自ら訪ね、慰み者にされるシーンが描かれています。

映画の本編では登場しませんが、
ノベライズのほうは澪(作中表記)がやはり、
陣を訪ねて身体をひさいでいることが書かれています。

新アニメでもミオが寺の孤児たちを食べさせるために
その身を犠牲にして稼いでいるという設定は
採用されると思っていましたが
後で触れますが、
アニメという媒体でここまではっきり描写してくるとは、
正直思っていませんでした。

しかも、一番残酷な鳥海版を、、、






川辺で自分をじっと見るあにきに気づき、
ミオちゃんが顔を上げる。

あにきの包帯を見たのか
怪我してるの?と
気さくに心配してくるミオちゃん。
たくし上げていた着物をおろし、話かける。

話しかけられたことでもっと近づこうと思ったのか、
川に下りてミオちゃんに手を伸ばすあにき。

ミオちゃん、最初はちょっと驚いたようでしたが、
あにきのおぼつかない様子に、
見えてないのね、とあにきの手を取る。

「ほら、ここよ」

なんというか、ミオちゃん、距離の近い子みたいですね。
あにきが盲目だからというわけでもなくて。
こういう、みんなに優しい人ってわりとそうじゃないですか。
他人と距離近い。

「どうしたの? 熱があるんじゃない?
 こんな水の中に入っちゃだめ。ほら、早く出て」

ふらつくあにきを心配する。
手はつくりものだけど、あにきが熱っぽいのわかったのね。

あにきは朦朧としているのか、ミオちゃんに倒れ掛かってしまいそうに。

「ちょっと、しっかりして!」

「あにきー!」

そこへ琵琶さんとどろろが追いついてくる。

かなりな近距離であにきを見つめるミオちゃん。

この不思議な人は何ものなのかしらとでも思っているよう。




廃寺であにきを寝かせ、額に手ぬぐいを乗せるどろろ。

「こんなに弱っちまってるあにき、初めてだ」

この時点で出逢ってどれくらい経ってるのかな。

1話が5月だそうだから、
似蛭の頃が梅雨として、今回あまり雨描写ないので
梅雨明けくらにいなるんでしょぅか。
セミが鳴いてるようだし、7月結構きてる?

するともう2ヶ月くらいは一緒にいるのかな。

そして似蛭からももうひと月は経ってるぽい。

えええーどろろ、
こんな引きこもりみたいな状態のあにき抱えて
ひと月も世話してやってたんかい。

なんていい子なんですか!!


 
「まあ、怪我のせいもあるだろうが、
 鬼神からいろんなもん、取り戻したようだからねぇ。
 頭がおっつかないのかもしれないよ」

と琵琶さん。
毎度フォローあざっす。


そこへミオちゃんがどろろに布を持ってきてくれる。
包帯にするサラシだよね、多分。

すまねえ、と素直に受け取るどろろ。琵琶さんが、

「ミオさん、だったか、邪魔しちまったうえに
 面倒かけて悪いねぇ」

「そんなこと。治るまでいてもらって大丈夫だから」

いいのかい?とどろろ。

「もちろん。ここにはあんたの兄さんみたいな子もたくさんいるから
 安心して。みんな慣れてるから」

兄さんだって。
どろろ、あにきとほんとの兄弟だと思われてる(笑。

挨拶しなさい、とミオが呼んで出てきた子供たちは
ほとんどみんな、どこか体に欠損のある子たちでした。

PVでは一瞬走っているところしか観られなかったので
よくわかりませんでしたが、
腕や足のない子が多い。

酷い戦があって、家も何も全部無くなってしまって
そんなもの同士、集まって暮らしてるの、とミオ。

「じゃあ、みんな、お父ちゃんもおっかちゃんも…」

ミオは中でも小さな子を抱きながら、

「でもみんないい子。子供ばっかりだって、なんとかなるもんね」

優しげなセリフですが、
あきらめのような哀しさを感じてしまう。

自分自身もまだ16、7の子供なのだということを
彼女も重々承知しているのだな、と思った。
まだ十代半ばの自分が、この子たちを養うのに
できることは少ない、稼げる方法は少ない、と。

「あ、ミオねえ、まだ起きてんのか」

左腕のない、元気そうな世話焼きさんの少年が
ミオを叱るように言う。

「今のうちに寝とかないと身体もたねぇぞ。
 怪我人は俺が面倒みっから」

他の子たちを追い払う様子から、
この子はここの子供たちの中ではリーダー格なのですね。
どろろと同じくらいの歳恰好に見える。

わかったわかった、と言いながら
何かあったらこのタケ坊に聞いて、と出ていくミオに
飯食えよ、と世話を焼いています。

お前たちの朝飯もある、とタケ坊。
小さな子が芋粥を運んできてくれる。

「あ、どうも」

神妙などろろにちょっと笑っちゃう琵琶さん^^



タケ坊が、片腕で器用に洗濯をしています。

健気な子ですね。
不自由さを感じさせないほどよく働いてる。
恐らくはミオにも他の子たちにも気弱なところは一切見せず、
自分を鼓舞して強く振る舞っている、そんな気がします。

原作ではこの寺に百鬼丸を導くのは琵琶法師であり、
彼はここの子供たちの精一杯生きている様子を見せたかったから
連れてきたわけです。

ここでの生活は
原作の百鬼丸に大きな安らぎを与えていました。
みおちゃんの秘密を、原作のあにきがどの程度わかっていたかは
よくわからないのだけど、
彼は心が読めたから、感じてはいたと思う。

それがなんだ、と彼は言い、
みんな一緒に幸せになるんだ、と言い切っていた、
その言葉のとおり、
そのままこの子たちと、みおちゃんと居られたなら、
例えどろろと出逢うことがなかったとしても、
百鬼丸の人生はまた、大いに意味のある、
幸せなものになっていたはずで。

そう思うとほんとうに辛い。

私たちは、それが夢でしかなかったことを知っている。

しかもそのひとときが、この新アニメの世界では
恐らくはそれほど長くも続かないことも、知っている。

そのうえもどかしいコミュニケーションの取り方で、
あにきがどれだけの想いをミオちゃんに伝えられるのか、
その苦しささえ、私たちは想像できてしまう。



そんなこんなで感情ラッシュでついには渋滞となり、
私はもうこのあたりからガチ泣きながら見ておりました。
本気で涙止まりませんでした。
ほぼ嗚咽です。
いいオバサンが深夜に。





タケ坊に、なんか手伝うことねぇか、とどろろ。

いいって、お前は怪我人みてろ、というタケ坊。優しいT_T

「タダで世話になるわけにはいかねぇ、
 飯代くらいは働くのが筋ってもんだ」

「はあ、結構感心じゃねえか。あにきあにきぃってベソかいてたくせに」

「かいてねぇ!全然かいてねぇぞ、これっぽっちも!」

イヤンこの会話可愛いーーーvv

そうなんだ、どろろそんなにあにきの心配してたんだ^^


その声が大きくて、
ミオねえが起きちまう、とタケ坊に怒られる。

なんでこんな時間に寝てるんだ?と聞くどろろ。

タケ坊は

「夜に働きに行ってんだよ、酒井様の陣で、いつ戦になるかわからねぇから
 一晩中誰かが起きてて、その世話がいるんだってさ」


大人が聞いていればもうこれだけでどういうことかわかってしまうけど、

どろろも含めてこの子たちには想像もつかない、
のだろうか、やはり。


夜のほうが賃金がいいし、
ミオねえは働きがいいから食いもんももらえるんだぞ。

だから昼間は寝かせてやらねぇと、と
健気にタケ坊は言う。


この間どろろがずっと口押さえてるのが妙に可愛かった。


「へえ、お前も結構感心だな」

どろろ、さっきからかわれたお返しの言い回し。


そのとき琵琶丸さんが寺を出ていく。

どっか行くのか、と声をかけるどろろに

戦場を避けて通る道を探しに行く、
戻らなかったら獣道でも見つけたと思っとくれ、と言う。

連れじゃなかったのか、と聞くタケ坊にどろろは

「ときどき会うんだ、妙な坊さんでさ」

「また戦になんのかなぁ…ここもあぶねぇな。クソっ」

タケ坊が顔を曇らせる。

そうか、寺が立地的に危ないんですね、戦になると。

追い立てられるような不安が迫ってくる。。




場面変わって醍醐の城。

国境では酒井軍との膠着状態が続いているという。

兵糧が必要なのだが、ひと月ほども雨がなく
蓄えがあやしくなる恐れがある、と家臣の報告を受ける景光は

「我が領土において凶作などあり得ぬ!」

と言い切る。

これまではそう信じてこられたのかもしれないですが、
景光自身、自分に言い聞かせるような響きをもっていることを
意識しているだろう。



「そうでございましょうか」

ママンが登場です。

「酒井殿のことに、此度の日照り続き。それに、今年は山崩れもございました。
 まるで、かつてのこの国に戻ったような」

多宝丸が廊下から聞いています。

何が言いたい、とイラつく景光。

「私どもは、国ごと小さな礎ひとつの上に乗っていることを
 お忘れなきように、と…
 いつ崩れてもおかしくはありません」

多宝丸、これを聞いて眉をひそめる。
何か聞き知っているのか、それとも初めてこんな母の言葉を聞いたのか。
どちらだろう。

言い返す言葉に詰まる景光。

早々に片を付けろ、と配下に命じて去ってしまう。


この会話は結構驚いた。

醍醐夫婦、詳細を共有しているんですね。

つまり、景光の地獄堂での取引の結果、
我が子の身体を奪われ、
そのおかげで醍醐領が鬼神に加護されているのだということを、
縫の方もはっきり知っている、ということなのね。

もちろん納得しているわけでなく、
ここぞとばかり夫をじわりと刺した、ということなのかもしれませんが
この時代の武家のことです。
大義にために個が犠牲になることに、
現代ほどの違和感は持たないでしょう。

事後承諾を強制された形であり、
母としてこれ以上の不本意はないでしょうが、
武家の奥方として、これ以上に責めることはできないということなのか。
つまり、景光の行為は
残念ながらある程度正当化されてしまっている、
ということです。

もちろん、恐らく縫の方は、あにきは死んだと思っているでしょう。
それ故に、あきらめたような気持ちがあるのかもしれないですが。

破たんしつつある醍醐領の加護に
彼女はもう気づいているわけで、
ひょっとしてあの子は生きているのでは、と、
次に考えてもおかしくはない。

映画版の百合のように、ひと目あにきを見てから、
探そうと独自に動くようなこともあるのかもしれない。

今回縫の方はあにきとよく似ていると思う。

ひと目見たら、おそらくあの家紋のお守り袋がなくても、
母にはわかるかもしれない。

それだけに母の命や多宝丸の正気が危ない予感しかしませんが
なんらかの母が動く展開があるような示唆を
このシーンに感じました。





セミの鳴く夏の日。

横たわるあにきの向こうの廊下で
雑巾がけをする元気などろろ。

ひっくりかえって子供たちに笑われてる。
かなり仲良くなってる様子ですね。

あんたたち、笑ってないで手伝わなきゃ、とミオ。

「百鬼丸、具合はどう?」

ミオはあにきの額に手を触れ、

まだ熱いのを知ると、酒井様の陣から薬をもらってくる、という。

あにき、ミオちゃんが近づいてくると口開いてるよ。
あきらかどろろが騒いでるときと表情違うのな。

むっくりと起き上がるあにき。

「じゃ、仕事行ってくるね」

ミオが離れてしまうと、

あっ、待ってって感じに手を伸ばして惜しそう。



なんだPVのこのシーン、そういうシーンだったのね。

てっきりどろろを見つけて呼んでるシーンなのかと思ってたじゃんよ
この百どろ脳への蓄積ダメージをどうしてくださるの公式。




あにき
もうミオちゃん離れてっちゃうのイヤ!感出しまくり。

そしてそれもあるけど、
この呼び止めようとする仕草、
「仕事」に行かせたくないと思っているんじゃないかな、
と思ったんですがどうでしょう。


このあたりのあにきの描写、
映画版のノベライズの描写にとても近い気がする。

彼女が近づくと、どうしていいかわからなくて落ち着かない。
でも、行ってしまうと、行かないでくれ、と思う。
他の子供たちと話しているのを見ると、
こっちを向いてくれって思う。

私の印象としては恋は恋なんだけど、
やはり性的な、思春期的なものはあまり感じなくて、
母性を求めてる感じが強い
性的なものがほぼ絡まない故の、
余人にあり得ないような純粋な思慕としての、恋。

赤ちゃんて、高めの女性の声が本能的に一番好きなんですよ。
あにきの聴覚、赤子レベルだし、
それに近いものはあるんだと思う。

6話でもう少し思春期に傾くかもしれないけど、
このシーンの段階ではそんな感じを受ける。


そしてミオが、ほんとうは「仕事」に行きたくないのを
あにきは感じていて
それがミオの魂の輝きを奪っていると感じている。

ノベライズはそんな感じでした。

魂の揺らぎで気持ちがある程度わかるのだもの、
新アニメのあにきも
そういう理解をしてるんじゃないかと思うのです。



「もうちょっとしたら夕飯だってさ!」

どろろの声に、またも眉をしかめて耳をふさぐあにき。

よっぽどうるせぇんだな(笑。

ここまでくると、どろろには甘えがあるというか、
相当な気安さ持ってるということなんだろう。
 
これはあれだな、聞けなくなったら逆にものすごく物足りなくなって
寂しいことに気づくパターンだなそうに決めた。



仕事に出かけていくミオ。

少し辛そうな顔を見せ、
でも心を決めたかのように唄いだす。

その唄声が聞こえると、
それを求めるように、また手を伸ばす百鬼丸。

「あにき…」

どろろがなんとも言えない優しい顔をする。
あにきがミオちゃんの唄声を欲していることに
気づいたんですね。




山道を歩く琵琶丸さんの前を獣たちが横切る。

「やっぱり安全な道はお前さんたち獣のほうが知ってるねぇ。
 これなら…」

清水を見つけて、こいつはいい場所だ、と琵琶さん。

しかし、その林を抜けたところの広い場所に穿たれた穴に
妖気を感じたのか不穏な顔をする。

穴の中では、赤い目玉が光っています。

土蜘蛛、でしょうか。

あ、、この穴って…


イヤな予感しかしてこなくなりました。

過去2ヶ月ほどの物思いが間違いでなければ、
ここで、そういうことだと、思いますーーー




翌朝。
またあの唄を軽く口ずさみながら、
ミオちゃんが仕事から戻ってくる。

寺の石段の一番上に、あにきが座っていることに気づく。


あにき、ミオちゃんを待っていたんですね…

「どうしたの、こんなとこで。あ、薬?
 大丈夫、すぐに煎じて…」

あっっ…あにき!
なんて顔をするんだ!

なんとも嬉しそうな、愛おしそうな、見守るような。

こんな顔されたら誰でも
ああ、こいつこの娘が好きなんだなって
一発でわかるわマジで。


ミオちゃんだって、その表情に気づかないわけがない。

一瞬見入ったものの、はっと俯いてしまう。
まるで何かを恥じるように。

そして着物の衿を合わせて、もう一度あにきを見返す。

真摯でまっすぐな視線にさらされているのを恐れるようなミオ。
この人には見えていないのに、とわかっていながら。

その心中を思うと切ない。

百鬼丸が生身の感覚を使いこなせる少年ではなく、
恐らくはそれ故にただただ純粋にミオに恋するように、

ミオにとっても、
百鬼丸は自分に性的なものを求めてこない初めての男、
なんじゃないだろうか。

尚も自分をみつめて微笑を浮かべるあにきを
ミオは覗き込む。

「不思議ね、なんだか見えているみたい。
 ずっと、奥のほうまで」


「見えてるよ。魂の色が」

と、どろろ。

あにきが早朝に寝床にいないのを心配したんだろうな。
石段に座っているのを見て、
ああ、ミオねえちゃんを待ってるんだ、って
きっとわかって見ていたのかも。

「あにき、勝手に出歩くなよ、びっくりするだろ」

「魂の色?」

「うん、おいらもよくわかんねぇけど、
 生きてるもんの魂が、いろんな色で見えるんだってさ」

どろろ、なんか得意そう^^
あにきのことならおいらに聞きな、みたいな。

そして、しゃべってる人のほうをちゃんと向くあにきが
あ、聞こえてるんだな、って感じが改めてする。

「人だけじゃないぜ、草とか、木とか、獣とか。
 妖なんか一発でわかっちまう。
 きっとすげぇ汚ぇ色してんだろうなぁ」

その言葉にはっとして、

「そう…」

再び襟元を合わせる仕草をして目を伏せるミオ。

あたしはいやらしい女の子よ、
という、原作の彼女の悲痛なセリフが思い出されて辛い。

映画ノベライズでも、鳥海版でも、

「いいの、あたしは汚れているから」
「わたしは汚れきった女です」

と、彼女は言っている。

生きるために、
自分を母のように慕う孤児たちを養うために、
他にどうしようもなかった彼女が
どれだけ苦しんでいるかを物語っている。

ノベライズの百鬼丸は、
そんな彼女を
「男たちに魂を食われている」
と表現していました。

男たちがミオにしていることも、
何故ミオがそれを男たちに許しているのかも、
仔細は分かっていなかったのに。

血を流すような、ミオの魂の揺らぎを
このあにきも感じ取っていただろう。


と、ミオの唇に触れて、口をパクパクさせるあにき。

ミオの唄を聞きたいとも思ったのだろうし、
ミオ自身が自分への慰めの気持ちで
この唄を唄うと少し気が紛れることがわかっていたのかも。


「もしかして、ねえちゃんの唄が聞きたいんじゃ」

どろろが察して、ミオに言う。

「あにき、ねぇちゃんの声はうるさくないみたいなんだよな。
 あ、そうだ、ねえちゃんの唄聞いてれば、音に慣れるかも」

どろろはいいこと思いついた、というふうに手を鳴らす。

今のままじゃ、穴倉にこもった獣みたいなもんだからなぁ。
ねえちゃんの唄で、穴から引っ張り出してくれよ、とミオに頼む。

どろろったら、琵琶さんの言ったままの言葉使ってるところが
結構おっさんの言うことに耳傾けて信じてるっぽくて可愛いね。

「あたしの唄、そんなたいそうなもんじゃないと思うけど…」

いや、奈々さん、それはない。
十分大層なもんですが。

今度は自分の口を指差して、パクパクするあにき。
唄って、というように。

多分もう、どろろとミオの会話もほとんど理解してるっぽい。
驚くような速さで、言語を理解しつつあるように思う。


あとで(衝撃的に)わかることですが、
このときあにき、発声の仕方がわからなかった、というか、
そういうことだったんだよなぁ。。




じゃあ、とミオは唄いだす。

それを聞きながら、またあにきが、、、なんて顔するんだよ。
ほっとしたような、幼児のように邪気のない、穏やかな、
思慕がいっぱいに表れた顔。

寺の石段に3人で並んで座って、
どろろも聞き入っている。


こんなときが、せめて、もう少しだけでも
長く続いたらよかったのに。




「あら、お坊さん」

琵琶さんが石段を上ってくるのにミオが気づく。

ぬけ道、見つからなかったのかよ、と聞くどろろに

「いや、ちょいとばかりいい話と、悪い話を持ってきた」
 
 
周辺事情からいえば、もうこのとき、
多分この寺に居続けることは危険だったのでしょう。
時を争う状況だったのかもしれない。

それでも、結果としてこのときの琵琶さんの再訪がもたらしたものが
悲劇を増幅してまった皮肉を思うと
彼もまた傍観者ではなく、物語の当事者であり、
どうにもならない悲劇の流れの中の木の葉のようなものだったのかと
遣りきれない想いを捨ててしまうことができない。

明らかに、あにきは焦ってしまったんだ。

そして多分、ミオちゃんも、先走ってしまった。



「へぇ、そんないい土地があったのか」

「あそこなら、戦があったってそうそう焼け出されることはないだろうよ」

土も悪くなさそうだ、と、
琵琶さん、見つけた場所の話をしている。

「ミオねぇ、行こうぜ、そこに住もう!」

タケ坊も大乗り気。

「喜ぶのは早いよ。実はその土地には大家が居るのさ」

今空地だって、、と問いただすどろろに

「鬼神さ。ありゃ相当だよ。
 迂闊に手を出すのは剣呑だ」

琵琶さん、しかし今その情報をあにきの耳に入れては。。。

あにきは、今のあにきは、
ミオちゃんのためなら何でもしてしまうだろう。

彼女がほんとうは嫌がっている「仕事」に行かなくても
自給自足で食べていけるような土地に移れるなら。


「なんだよ」

と、どろろはがっかり。

「鬼神て、化け物か?」

タケ坊の問いに、どろろが答える。

「ああ、ただの妖なんかよりよっぽど強いんだ」

「そう…」

と、ミオちゃんの少し残念そうな声。


するとあにき、スッと立ち上がって寺を出ようとする。

「おい、あにき、まさか鬼神退治に行くつもりか?
 待てよ、そんな脚じゃ無理だって!」

どろろが心配して止めようとしますが、
手を振り払って意に止めない。

あにき、脚も怪我してたんだ。
妖鳥にやられたの、肩だけじゃなかったんだね。

「坊さん!」

止めてくれよ、と言いだけにどろろは琵琶さんを向きますが

「そのつもりで話したところはあるにせよ、
 まさか怪我も治らないうちにとは思わなかったがねぇ。
 せっかちだねぇ。」

琵琶さんも仕方ない、というふうにあにきの後についていく。


琵琶さん、そりゃ読み違いだわ…
しばらく留守にしてて、事情を察することができなかったんだろうけど。
居れば、気づいていたかも知れないと思うと
もうどうしたらいいのか。


「坊さん、あにきのこと頼むぞ!」

琵琶さんが結構強い、と認識したんだろう、
どろろも気軽に行かせてしまう。

どろろ自身、寺での生活になじんで、
ここで自分の居場所みたいなものがみつかりつつあって、
ここでおいらはコレしなきゃ、アレしなきゃって、
あにきについていくばかりを考えなくなってた、
それもあったのか。

もっと、誰かが、止めてくれればよかったものを。

今の自分の限界量を超えているだろう戦いに
あにきを駆り立ててしまう衝動を、情熱を、
誰も察して止めることなんてできなかったのか。


「私も、がんばってみよう」

ミオも、何かを決したようだった。

もう少し、あと少し、蓄えが持てるだけ稼げるまでがんばったら、
それで最後にしよう、
新しい土地に移ったら、もう、やめよう。
そう思ったのかもしれない。


嫌な予感しかしないんです。

この、ミオちゃんが酒井の侍だけでなく、
醍醐の侍からも稼ごうとした行為、
これが、彼女を間者か何かと思わせてしまって、
後をつけられてしまうのじゃないかって。




先を歩くあにきの魂の色を見る琵琶さん。

相変わらずクロームのような感じに見えますが、
わずかな赤と緑も交じっているのを見て、
危なっかしいねぇ、とつぶやく。

人らしい思慕の感情を持つようになったあにきなのに。

赤が混ざっているのは、
鬼神への殺意、憎しみという、
負の感情が増しているからなのか。






一方ミオは、
タケ坊に、仕事を増やすという。

「酒井様の陣と、敵の陣と、掛け持ちってことか?」

無理だと止めるタケ坊とどろろですが、

新しいところに移るなら、ちゃんと準備しなきゃ、
土地だけあってもしょうがないでしょ、とミオ。

「戦でたくさん無くした分、戦から取り戻すだけ」

ミオはそう言って、凛としてさえ見える。

ミオの行為を、尊厳を捨てて自己犠牲を行っている、
と表現していたご意見も散見いたしましたが
私にはそうは思えない。

例えば身を売ったら尊厳は無くなるのか。
そんなことはないと思う。

ミオは確かに己を恥じているかもしれないが、
人として大事なものを売り渡しているわけではない。

そのあたりは、彼女の名誉のために、
はっきりさせてあげたいと思う。



そうと決まったら寝ておかないと、とミオは出ていく。

ミオねえ、こうと決めたら頑固だから、というタケ坊の心配に、
どろろが
おいらがついてってやるよ、と申し出る。

「大丈夫、あんまり大変そうだったらやめさせる」

「そっか、頼む」

「戦から取り戻す、か。いいじゃねぇか
 おいらたちだって、侍から取ってやればいいんだ」

このセリフ、
後の一向一揆に繋がるものに加担していくどろろを思わせる、
そんな前ふりのようにも思うのですが。

それはまだ先の話。


今回は、、


ああ、そうして、見てしまうんだね……



夕方、国境近くの陣の見張りでもしているらしき侍が
膠着状態の軍に不満をならしている。

そこへミオがやってくる。

「お兄さんたち、働かせてほしいんだけど」

媚びるような仕草もまるでないミオ。
これは仕事なのだ、
搾取されてるとか、凌辱されているとか、そういうことじゃない、
そう自らに言い聞かせているように見えた。

どろろがミオを追ってきている。





あにきと琵琶さんは、例の鬼神のいる穴に来ている。

わかるだろ、と穴の底で光る眼をあにきに見せる。


あにきは仕込み刀を抜くものの、痛みに身体を震わせてしまう。

「大丈夫かい。まだやめといたほうがいいんじゃないかねぇ」


…琵琶さん、それなら、ここまで来させちゃダメです…


顔をしかめるあにき。

もう、これからやられてしまいます感がビシビシじゃないか。

どんなことになってしまうのか、
それがはっきりわかっているだけに、
ほんとに見ていてこんな辛いことはなかった。


はっとした瞬間、砂の中から鬼神が現れ、
渦巻く砂にまかれるように、
あにきと琵琶さんは穴の中心に引き寄せられていく。
 

あにきは岩場を飛び、一気に土蜘蛛に近づいていく。





その頃どろろは、
下卑た男たちの笑い声のするほうへと近づいていく。


なんてことなの。
残り数分のうちに畳み掛けるように、
両方の衝撃的なシーンを見せようというのか。





琵琶さんも仕込み刀を抜いて戦う。

子蜘蛛を斬ったんでしょうか、
土蜘蛛がぐるり、と琵琶さんのほうに注意を向け、

「今さね!」

琵琶さんの言葉にあにきが斬りかかりますが、
右足を噛まれてしまう。

ああ、やっぱり。


琵琶さんが穴の中心に引きずり込まれそうなあにきを助け、
土蜘蛛が潜るのに巻き込まれるのは避けられましたが…





草を分けて、男たちに近づくどろろが見たものは。

あの唄を口ずさみながら、ふたりの男と行為に及んでいる、ミオの姿。




そしてあにきは。

「百鬼丸、おまえさん…」

右足を食いちぎられた痛みに絶叫するあにきの声を聴いて、

琵琶さんはあにきが声帯を取り戻していたことに気づいたようでした。







実際これを書くために、もう一度見るのもほんとうに辛かった。

わかっていたことだったのに。



どろろがミオの仕事を目撃してしまう、というのは、
鳥海版小説で既出です。

しかし文字媒体と映像ではインパクトが違う。

深夜とはいえ、ここまではっきり描かれ、
しかもそれを年端もゆかぬ子供であるどろろに目撃させる、
という場面として差し出されるとは。


そこまでしなくても十分示唆できたのではないか。
そこまでする必要があったのか。

身体を売っていた、という事実を提示することに、
異論があるわけではありません。
ある程度はわかるように描写する必要はあったと思います。

これは評価がわかれることだと思います。

ツィでフォロワさんもおっしゃっていましたが、
私もあまり露悪趣味的なことは好みません。

そしてまた、今回どろろ役の声優さんは13歳のお嬢さんです。

まさか映像を見せてアテレコをさせたわけではないでしょうが、
ここまでこのシーンをはっきり描くつもりであったのなら、
大人の女性の声優さんでよかったように思う。
そういう配慮はあっていい。




そして百鬼丸が、取り戻していた脚を再び失う展開ですが。

どうも既発表のPVからするに、
ああいう形で食いちぎられたにも関わらず
土蜘蛛を倒せば足は戻るようです。

私はこの展開には少し疑問を感じる。

まさか、あにきの初発声が足を食いちぎられた絶叫、などという
あまりにも悲惨な演出をしたいがために
こんな残酷な流れにした、とは思いたくないので

また取り戻せる、ということの意義も含めて、
何か物語の中での意味を見出せなくてはならない、と
私は今必死で考えていますが。

とりあえず説得力のあるものをまだ思いつくことができません。

正直とても苦しいです。


永久に失う、というわけでもなく。

たった1話でまた取り戻す、という、
いわば性急なこの出来事の意義とはどこにあるのか。

次回の、6話を見てから、また考えてみたい。


決して批判したいわけではないんです、
それはご理解いただきたい。

今回のアニメ化において、最大限期待できる制作だと
今も信じています。

例え、ことこれに関して納得がいかなかったとしても、
私はこのアニメは愛せる作品であると思います。
 
 

鬼神図鑑は妖鳥。

姑獲鳥じゃなかったのか。
泥鬼とかネーミングわりと雑だな(笑。←笑える程度には元気になりました。
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ああ…
こんちゃー。
改めて読んでpochiさんとは異なる嫌な予感がよぎりました。いや、アニオリだからあり得るかもしれない…。それは後の感想で……。

ひとまず感想お疲れ様でした。
足を取り戻す意味ですか……。確かに簡単に取り戻してしまうと軽率な描写に見えてしまいますよね。
このような1クールアニメは詰め込める傾向も捨てきれませんし、早々と進めてしまうのが仇になってしまうかもしれません。
6話ももう予想はついていますが、、、
あまりにも酷すぎて、私も何も言及出来ません。pochiさんの苦しみも分かる気がします。

それだけ、人間の生と死は、脆く、儚く、、愛おしいと感じました………。

それでは、失礼します!
ソナ EDIT
at : 2019/02/06(Wed) 22:47:09
ソナさんいつもありがとうございます^^
な、なんでしょう、異なる嫌な予感…また聞かせてくださいね。(怖い)

どろろ、ツィでスタッフさんがポロっとうっかりつぶやいてしまってるのですが、2クールだそうです。
なのでそれなり時間をとって描いてくれそうなので、納得のいくように収めてくれればいいなと思います。
ただただ悲惨でショッキングなだけでは疑問を感じてしまうので^^;
ふたりがそれでも生きたいんだ、という希望をもって乗り越えてくれること、
そして安らぎと喜びをもってくれるようなところへ落としてもらいたいなと
母(笑)は願うばかりでございます^^
管理人pochi EDIT
at : 2019/02/08(Fri) 00:56:10
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