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pochiの雑記帖です。思いつきで書いたり書かなかったり。
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アニメどろろ4話、「妖刀の巻」の感想です。

もはや長いですよ、とか言うまでもないですが




長いです。


そして今回は記念日でしたよ皆さん…!!



季節についてツィ情報から追記しました。












今回も土砂降りの雨でスタート。

ほんとに今までのところ土砂降りの多いアニメですな。

大抵誰かの心象風景とか状況にリンクしてるので
遣りきれない、というか、、、
 
原作のコミカルな感じはほぼ排されているので
ほんと重たいっす。。

まあ、我々はそのつもりで見ているので
見応えあるとしか思わないけど
ある意味人を選ぶ作品ではあるのかもしれないですね。

「観ていて楽しいアニメではない」って靖子さん言ってたもんね。。

 
 
戦場の、陣を張った庭のようです。
幕には〇に星(曜ともいう)●をあしらった家紋が描かれています。



この家紋、ツィでフォロワーさんが光速(スゴイ!)で調べていらっしゃったのですが、
私も調べてみましたけど
五つ星紋に似てますが角度が違うので
家紋一覧の中から同じものは出てきませんでした。

星を使う家紋は毛利家の家紋として有名ですが
今回の舞台は加賀なので、ちょっと地域が違います。

真ん中にひとつの●、周囲に●が4つですが、
この系統の紋は多いですが、
細川氏の細川九曜、という紋があります。
(真ん中にひとつ、周囲に八つ)

細川氏と言えば応仁の乱の東軍の立役者ですし、
景光の仕えている富樫正視も東軍ですので
案外細川氏につらなる東軍の武将のひとりのつもりで
この星(曜)の紋をデザインして描いたものかもしれないですね。
親族が似たような紋を使う、というのはよくあることのようですし。

アニメスタッフさんの心づもりは
憶測するしかないですが^^;


さて、戻りましょう。

田之介と思しき青年が
主君に大工、人足の処刑を命じられているらしきシーン。

セリフはありません。

筵の上に座らされ、
後ろ手に縄でくくられ、男たちの下げられた頭のその先には
斬首の際の首が転がる窪みが掘られている。

刀を握る田之介の手は激しく震え、
斬れずに主君の前に跪く。

恐らくはできませぬ、お許しを、とでも述べたのでしょう、
その田之介の前に、刀が一振り、放られる。

田之介はハッとし、彼の脳裏には桃色の折鶴が浮かぶ。

刀を取り、意を決して鞘を抜くと斬りかかり、
筵の上には鮮血がほとばしる。

刀を抜いたとき、何かポロっと、錆のようなものがこぼれました。



ここでOP。



雨の山道。またも雨。とにかくほぼ雨。

林の中にお堂があります。

姐さん被りをした若い娘の行商人がひとり、
一心に拝んでいる。

それをチラ見する、見切れる人影。どろろですね。

娘が人影に気づき、お堂の角を曲がると、
雨の中に立ち尽くしている百鬼丸を発見。

これもPVであったカットでしたね。

雨を全身に受けながら、上を向いているあにき。

その眼球はつくりものですから、
瞬きもせず、雨を顔に受けている。

感覚は戻っているから、
雨が自分に当たる感覚を味わっているかのよう。

寒暖も、もう感じているはずなんですが、
寒くはないんでしょうか。

ってか季節いつなの今。
どろろの身なりがあまりに軽装なので
あまり寒い時期ではないのかなとかは思うけど、
そもそもふたりの服装なんか原作でも季節感ないので
なんとも言えません。

結構今回のアニメは自然描写が美しいので
季節を明確に描いてくれたらいいのにな、と
少し惜しくなってしまうけど。


と書きましたが
ツィでフォロワさんのつぶやきから
絵コンテに第1話が5月の設定である旨
書かれていたという情報をいただきました!
するとこの4話の長雨は6月頃、梅雨の季節ということで
合致しますね!
そうかーちゃんと季節設定されてるんだ~

するとこの先夏、秋、冬と
描写されていくんですね、きっと。
楽しみ!!

 
 
「あの、、もし…」

雨に打たれるあにきを心配してか、
娘=お須志ちゃんが声をかけると、

「無駄無駄」

どろろが答える。

「何を言っても聞こえやしないって」

ココが聞こえねぇんだから、と耳を指差す。

「ああして突っ立ったまま、もう半刻ほども動かねぇ。
 すっかり濡れ鼠になっちまって。
 風邪ひいてもしらねぇかんな」

つまりどろろ、お前も半刻そうやってあにきを見守ってやってるのか(愛)。

そういや琵琶さんいないな。

何らかの理由でじゃあな、またな、って別れたのかなと思うけど
どろろは当然のようにあにきと一緒にいようと思ったんだな。

この、何考えてんだかわからないうえ
とんでもない事情抱えて、強いのに危なっかしい不思議な少年を
ほっとけないような気持ちがあるんだろうなぁ。

でもまだ、あにきと慕う、って感じじゃぁないんだろう。


「雨を…雨を聞いてるんじゃないかしら」

と、お須志ちゃん。

姉かぶりをしているので髪型がよくわかりませんが、
くりん、とした前髪は原作のままですね。

でもちょっと大人びている。

原作ではまだあどけなさの残るような、裕福な町娘、という感じでしたが
このお須志ちゃんは少し、憂いを含んでいるように見えます。

「え? だから耳は…」

と、どろろは納得いかないように言い返しますが、

「そう、感じただけ」

ふーん、とどろろはお須志を値踏みするように見て、

あんた、いいとこの生まれだろ、そのお上品な物言いに顔つき、
そこらの田舎娘とは思えねぇ、どうよ、当たりだろと言う。

ふ、と寂しそうな顔をするお須志。

「さぁ、昔はどうあれ、今はしがない行商人よ」

「ふーん、まあいいや、ところでさ」

さっきは何を熱心に拝んでたのか、とどろろが聞くと、

「兄上が早くお戻りになるように祈っていたの」

そう言って合わせたお須志の手はひどく荒れていて、
生活苦を物語っています。

お須志ちゃん、兄上、と呼んでいるので
はっきり武家の設定のようです。

苗字の「仁木」というのは旧アニメだけだったかと思うので
原作ではもっと身分が低く、
ぜいぜいが足軽に取り立てていただいた、という程度で
元からの武家という感じではなかった。
兄さんと呼んでいましたし、
両親も服装からして武家というより商家か、
少し余裕のある町人、のような印象でした。

何処へ行ったんだよ、と聞くどろろに
戦よ、もう五年になるかしら、とお須志は答える。

「そんなに戻ってこないってことは、とっくに…」

どろろは表情を曇らせる。

と、そこへ、背中をバッサリと斬られた男が倒れこんでくる。

駆け寄るどろろ。

あにきも気づいたのか、
あにきアイでは、林の向こうに赤い刀のようなものを持つ白い人型が見え、
そちらへ駆け出すあにき。

あにきがすっとんで行くのに気づき、
どこ行くんだよ、とどろろも後を追う。

お須志も
「ぼうやたち!」と心配していますが。。。

ぼうやたち、だもんね。
今回のお須志ちゃん、少し年上ですね、やはり。


走っていたあにきが突然、
急ブレーキかけたみたいに立ち止まる。

どろろが追いついて、急にどうしたんだよ、と聞きますが、
足元を見てギョッとする。

そこには死屍累々が。
ざっと7、8人、皆、刀で斬殺されている。
首が飛んでいるものも多数。血の海です。

雨の中の血の海。
たけしの「座頭市」思い出しちゃった。


深夜アニメは血も鮮明に描かれるのですね。
ゴールデンタイムだと黒とかで表現されるものも多いですもんね。

あにきにはこれ、どう見えたんでしょうね。
驚愕と無念を残して消えゆく魂が
見えているんでしょうか。


なんだよこれ、と後ずさるどろろ。

そのふたりを、木の陰から見ているものがいるのか、
血に染まった刀が画面に。

あにきが気づき、右腕をコトン、と血の海の中に落とす。

あにきの義手は肩の筋肉の動きでも着脱可能なようなので
引っ張らなくても自分の意志で外せるようですね。
引っ張って取ると、長く引き出せるのかな、とか思った。
更に長くしたいときは、さらに引っ張るのかな?
1話で咥えて引き出してたもんね。


田之介が木陰から躍り出て斬りかかり、
あにきは田之介を見ることなく、
仕込み刀でその刃を受け止める。
カッコイー!


登場シーン、
「そこの人、死んでもらおう」、じゃないんですね(笑。
あれはあれで唐突すぎて斬新だったんだけど
芝居がかっちゃうもんね。


「いきなりなにすんだよ!」

どろろ、びっくりして尻もち。うわぁ、血の海の中にぺったんと…

「こりゃあんたの仕業か! 
 チクショウ、なんだってこんなことしやがったんだよ!」

どろろ、いくらあにきがいるからって、
自分は丸腰で、こんなヤバそうな男に食って掛かれるって
すごくない?

こういうときおびえて黙っちゃうんじゃないあたり、
歳からは想像できないほど修羅場踏んでる感すごい。

お須志ちゃんを値踏みする感じからは生意気さも感じるけれど、
だだそういう言葉で片付けられない、
強い意志のような、一本通ったものを感じる子です。

原作のどろろのようなやや幼さも感じさせるコミカルさは
リアル設定故に削られていますが
百鬼丸を放っておけずに世話を焼くあたりといい、
斜めに人情を否定するフリを見せながら
それを求めて止まないような、
とても共感しやすい人物像として際立たせている。

今のところあまり盗みをするシーンも目立たせていないし、
今後もそういう感じではないのかもしれない。


「この刀が血を欲したのだ。故に斬ったまで」

シレっと答える田之介。

「刀が欲しがるだぁ?バカ言うんじゃねぇよ!」

「ただの刀ではない。人の血を吸い、生きる妖刀よ。
 ひとたび握れば我が身を使い、誰ともかまわず斬り捨てるのだ」

全部その刀のせいだってのか、ならそいつはなんだ、
そのニヤケたツラは!と言い返すどろろ。

田之介の表情、ニヤケた、とどろろは言いますが、
なんとも言えない顔です。
怖れているような、おびえているような、そんな顔にも見える。

あにきの眼には、

私コレ、予想外だったんですが、

刀=似蛭のみ、赤い炎に見えていて、
田之介本人は白い炎でした。

つまり、田之介本人の魂は、その本質は、
害意を持っていない??

妖刀に操られている、というのはもちろんなのでしょうが、
原作の田之介は、
もはやあきらめているというか、
自分の意志で似蛭の宿主たらんとしているように見えたので、
当然その魂も誰彼かまわず殺意を抱く、
赤い炎として描かれるものと思っていました。

ここで初めて、人が赤い炎として描かれるかと。


林の中で、あにきと田之介の殺陣。
スピード感すごいです。

田之介の表情が生き生きしちゃってる。
手応えのある相手に高揚しているようです。

一太刀の重さをすごく感じる映像ですね。

あにき、刀をあまり長く出していない、
つまりリーチ短い状態のようなので
肘から出てる部分で受け止めたりしてるのが
おおっと思った。

あにき、仕留めようとしてる感じじゃない。

炎が白いからでしょうか、
間合いを計ってるというか、刀だけ弾き飛ばそうとでもしてるのだろうか。

「貴様も俺と同じだな」

田之介の眼が赤く光る。

「その刃に修羅を宿らせておる」

このとき、田之介が肩で息しているのは当然として、
あにきの右腕もゆらゆらと上下している。

私あにき、呼吸、、、はまだしてないんじゃないかと思っているんですが、
これって田之介の動きに備えているからなんでしょうか。

「だが少し遅い!」

振り下ろした直後、持ち替えて斬りあげる田之介の妖刀が
あにきの頬をかすめる。

一瞬前に察知して身を引いているあにきですが、
頬がピッと裂けて、血がほとばしる。

崖に追い詰められるあにき。

生身の右脚が崖っぷちギリギリを踏んで、
恐らくそれで立地を察したのではないでしょうか。

両方義足のままだったら、そして感覚がなかったら、
崖だということがもしかしてわからなかったかもしれない?


してやったり、という顔をして、
低く構えた田之介は下段から突いてくる。

あにきは多分、意図的に左の義足でそれを受けたんでしょうね。
義足に刺さり、似蛭が取れなくなった田之介は驚愕の表情。

あにきが義足だということに、そのとき初めて気づいたのか。

というか、腕が仕込み刀だということには
なんも驚いてなかったけどな。

あにきはそれを利用して、下から救い上げるように似蛭を弾き、
自分の脚ごと田之介の手から妖刀を奪う。

脚ごと宙に舞い、崖から落ちていく似蛭。

立ち位置の逆転した田之介もまた、
あにきの刃を避けて崖から落ちていく。

あにき、このとき刀を失った田之介に斬りかかっているので、、、

なんだろう、田之介の眼が光ったとき、
あのときは彼の魂も赤くなっていたのかな?
それであにきも、こいつは滅するべき、と判断したのでしょうか。

彼がしゃべらず、感情表現が乏しいために
我々はこうして憶測して憶測して憶測するしかない。

巧いこと公式にやられてるなぁ、とは思うものの、
それもまた楽しみだと言わざるを得ない。笑。


何にしろ、あにきは左脚失っているし、
似蛭を一時的に失っているとはいえ、
田之介をそのまま放置しては危険、ではある。


「おーい、百鬼丸! やったか、百鬼丸」

ゴメン、百鬼丸連呼されると違和感が…

いつ呼ぶのあにきって。。。


崖っぷちに片脚で立つあにきに、
血の海にあにきが落とした右腕を抱えたどろろが駆け寄ってくる。

もう完全に腕回収係じゃん(笑。
しかもちゃんと、あにきがわかる目の前の位置に義手おいてやる手際ね。

「ここから落ちたんなら、あいつも…」

田之介が落ちていった崖を覗いてつぶやくどろろ。

なあ、とどろろが振り返ると、

あにき、右腕拾うようなそぶりでかがみますが、
なぜか茫然としたように腕もつけずにそのまましゃがみこんでる。

どうしたのあにき?

あれ?俺の脚は?
脚は取ってきてくんないの?

みたいな?笑

あにき、崖から似蛭ごと脚が落ちてっちゃったの
わかってないのかー?

「ん? そっか、脚か。しかたねぇな」

と、脚を拾いに駆け出すどろろ。

どろろ、わかってるー!笑
つか面倒見いいなほんと。


あにきはしゃがんだまま、
さっき似蛭に斬られた左の頬に触れる。

切り傷が多分、痛かったんだろうな。

何を思ったかまで、詳細はわからないけれど、
多分闘いで傷を負う、ということをかなり意識したことは間違いない。

しかもこのとき、
左脚を犠牲にする形で辛くも勝った、という感は否めない。

この先もこんな戦い方をしていては危うい、
とは思ったんじゃないだろうか。

あにきは別に、赤ん坊ではないんだから。
何もわからないわけじゃない。
というより、こと戦闘に関しては
かなり修羅場踏んできていらっしゃるわけだしな。



「えっとー、脚、脚…」

雨の中、崖下であにきの左脚を探すどろろ。

派手に飛んでったわりには
似蛭が刺さったまんまの脚、あっさり発見(←時間かかってたら話進まない)。

もっとビキビキに割れてるように見えましたが
そうでもなかった(笑。

あんまりヒビ入って痛んでたら
この先の耐久度問題あるしなぁ。

てかコレ木よね? 
こんなザツに扱ってたらマジ壊れちゃうよ
あにきもっと大事にしてーーーー


さっきの刀も一緒じゃねぇか、気色悪いなぁ、とどろろ。

「ダメだ、捨てちまお」

どろろ、ほんとに刀欲しがらないねぇ。

原作では似蛭欲しい欲しい騒いであにきに怒られてたのにね~
そんで、似蛭帯に差したら重すぎちゃって、
着物全部脱げちゃったりするサービスショットだった(笑。

しかし嫌そうに似蛭を掴んだその瞬間、
どろろの表情がビクッと変化する。




一方お須志は、「ぼうやたちーどこにいるのー」と
あにきとどろろを探して、やはり崖下に下りてきていて、
倒れている田之介を偶然発見。

「兄…上…」

白髪になってかなり人相が変わってしまっているにも関わらず、
すぐに兄とわかったようです。

 

場面変わってあにき。

どうもどろろが戻ってこないので
(一定時間待っていたに違いない。それはそれで可愛すぎ^^)
片脚で探しに来た様子。

左脚は発見しますが、どろろがいない。

どろろは、、あのちっさい白い炎はどこだ?
というように、顔を上げるあにき。



宿をとって兄を運び入れたらしいお須志。
もう日が落ちていて、
行燈の灯の揺らめく部屋で、田之介が目を覚ます。
 
「兄上、よかった、気がついて」
「お須志…」

ここでお須志ちゃんの名前は初呼びです。
 
余談ですが、
どろろに登場する女性陣は食べ物由来の名前なんですよね。

どろろの母のお自夜=おじや
似蛭の巻のお須志ちゃん=お寿司
どんぶり腹のお米ちゃん=米
みおちゃん=おみおつけ=味噌汁

ちなみにPS2ゲームではこのお須志ちゃん、
美咲、という名前に変更されてました。

お自夜さんとお米ちゃん出てこないので
ひとりでお寿司だと浮くからな(笑。



ずっと仏様に兄上が無事に戻ることを祈っていた、というお須志。

だが田之介は、5年ぶりの妹との再会にも心ここに非ず、
似蛭を探しているかのように、周囲を見回す。

何かお探しを?と尋ねるお須志に

「いや、かまわん、いずれ戻ってくる…」

と、愉悦を滲ませて答える田之介。


その頃似蛭は抵抗するどろろを操り、
自分を人里まで運ばせている。

どろろ、原作でもゲームでも
あっさり似蛭の思うがままになってしまってましたが
新アニメではかなり抗っております。

「ちきしょう、戻れ! 戻れってんだよ!
 いい加減おいらから離れやがれ!このアホ刀…!」

操られまいと懸命に抵抗しているようですが、
似蛭から手が離れないらしい。

新アニメどろろ、意志強い!
さすが、「おいらは誰の指図も受けねぇ」って
啖呵きっただけのことはある。

刀が欲しいどろろ、だったのなら、
あるいは影響を濃く受けてしまったのかも知れないですね。

田之介も、恐らく剣の腕に覚えがあるような武士で、
それ故処刑役を命じられたのだろうし、
身を立てるならば剣で、みたいな侍だったような気もする。

「無限の住人」から引用するのであれば、
刀持たなきゃ何もできないのが剣士というものなんだそうだしな。

刀を力の象徴、拠り所にするような人間ほど、
似蛭にとっては惑わしやすい「美味しい人間」なんだろう。

今回、あの「シャンシャンシャン」て効果音はないんだな。


どろろの前方から、提灯を持った村人がふたり、歩いて来る。

「坊主、こったらとこで何してんだ?
 今すぐ山さ降りろ。このあたりじゃとんでもねぇヤツが…」

辻斬り、のことなんでしょうね。

恐らく田之介が少し前からこの山に居て、
山道をゆく旅人や村人を殺していたのだろうから。

「ああああーーーー!!」

人が近づいたために似蛭が活性したのか、
ついに抵抗しきれなくなったように、
どろろが振り向きざま、村人に斬りつけてしまう。

えええー、どろろ、人に斬りつけちゃうのやっぱり??

原作ではお須志の父親に斬りつけて大怪我をさせてしまってましたよね。
そればかりか村の一軒の家に立てこもって大暴れでしたもんね。


と思ったら切れたの着物だけだった、ほっ。

村人、「辻斬りだーーー!」と、
最近騒がせている辻斬りの正体はコイツか、とばかり逃げ出す。

いやそんなわけないやん子供だよ?
とはいえ、刀に操られたようなどろろの影のある表情は怖かったし
まあ逃げるよね。

「好きに…させるもんか!!」

どろろ、精一杯がんばって抵抗しております!

しかし、キィィィン、という共鳴したような音が響くと、
どろろの表情が曇り、また人里へと歩き出してしまう。

似蛭が、田之介を近くに感じて共鳴したんだろうなと理解。
似蛭にとって、剣の腕がたち、そして不安定な精神状態の田之介は、
いわば「理想的なパートナー」だったんでしょう。

やっぱり鬼神、それ自体ではそれほどは強くないのかもしれない、
という気がしますね。

中には四天王、みたいな強いのもいるんだろうけど、
十二体すべてが特別に強いわけでもない気がします。

人に憑依したり、そそのかし惑わした人をうまく利用することが
奴らが巧く生きていくのに必要、且つ魅力的なやり方なんだろう。


ここであにきアイ。

赤い似蛭を手に、ゆらゆらと歩いていくどろろの白い炎。

あにき、どろろを見つけました。

そしてどろろのゆく先には、白い炎がたくさんかたまっている。

人、というか生き物がたくさんいるところへ
危険な赤い炎が向かっている、
ということを、あにきは察知したのですね。
眼下、といっても見えてるわけじゃないけど、
高台のような山道から町の建物を見おろしている。



宿の2階から、土砂降りの外を見ている田之介の追憶。

紫陽花の花の美しい季節、
戦にゆく兄を見送る5年前のお須志。
まだ幼さの残る、髪の長い娘姿です。

「すまぬ、戦は武士の務めだ、わかってくれ。
 父上も母上も、きっと見守っていてくださるはずだ。
 すぐ戻ってくる」

あら、ご両親亡くなっちゃってる。
そしてこの田之介、あまり戦に行きたくないんですね。

原作では両親が期待をかけて
田之介の出世を望んで送り出したっぽいセリフがありますし、
旧アニメでは本人が出世する気満々で出かけていくシーンもありましたが

新アニメでは田之介、特に出世欲などないようで、
自分が出征したあとお須志がひとりになってしまうことを
随分と気に病んでいたようです。

お須志ちゃんの着物、紅葉柄がさりげなく原作と同じですね^^
 

血に汚れた己の手のひらを見つめる田之介。

あの頃の自分はどこに行ってしまったのか、
そんな物思いに揺れているようにも見えます。

お須志が戻ってきて、
通りで売っているのを見かけたから、と
兄が好きだった栗ご飯の膳を持ってくる。

お須志から隠すかのように、血まみれの手を握る田之介。

栗ご飯かぁ。
栗って戦国時代には武士の保存食として好まれたそうなので
武家の田之介とお須志にはなじみだったのかもしれません。

しかし田之介は特に関心を示さず、窓外に視線を戻してしまう。

小さい頃、泣き虫だった自分を慰めようと
兄が作ってくれた折鶴の話をするお須志。

泣くたびに、こうして鶴を折ってくれたわね、と
懐から折鶴を取り出す。

冒頭ででてきた、桃色の折鶴です。

お須志ちゃん、お守りのように、
ずっと懐に持っていたのでしょうか。

「そうすると途端に私も泣き止んで、ずっとこうして鶴を眺めてた」

田之介はやはり、こちらを見てはくれない。

兄が別人のように変わってしまったのを感じても
その気持ちを打ち消したくて、
昔を思い出してもらおうと試みていただろうお須志ですが、
どうも兄の心はここにはない。

兄を助け起こしてここまで連れてくる途中、
辻斬りに斬られた無残な遺体をたくさん見ていた。
そして、兄の、血に汚れた手も。

兄の手の血が兄の血ではないことも、
とっくにお須志は気づいていたはずです。

不安に黙る彼女の耳に、

「俺はここだ、ここにいるぞ」

という兄の声。

引きの映像が、
一体、今の兄は何者なのか、という
お須志の恐怖心を静かに表現しているようでした。


この4話、とことんBGMないですねー。
ほぼ雨音とちょっとした効果音だけです。
陰鬱な雰囲気がたまらない。



来たぞー!辻斬りだー!という人々の叫び。

どろろがふらふらと、似蛭を構えたまま通りを彷徨っている。
原作のように怒鳴り散らして刀振り回してるわけでもないし、
あまり辻斬りって雰囲気じゃないですが、
禍々しい刀を構えた子供という異様な光景は人々を恐れさせているようで、
誰も通りに出てきません。



ふとどろろが、ほっとしたような顔をする。
来てくれた、って、どろろ、思ったんでしょう。
目の前に、先回りしてあにきが立ってます。

「百鬼丸!」

安心したように名を呼ぶどろろですが、
あにきは無表情に仕込み刀を抜き、どろろに向ける。

えええー、まさかあにき、どろろがわかんないの??

「っ…!」

ひきつるどろろの顔が、、、切ない…

わかんなく…ないよね?
あにき、似蛭だけ、狙うんだよね?ね?





「兄上、帰りましょ、私と一緒に」

尚も無反応な兄に、

何か言って、お願いだから、
一体何があったの、こんな、こんなふうに、、、

と悲痛なお須志。

田之介の回想シーンが入ります。

冒頭のシーンですね。今度は声も入っています。

斬れ、と命ずる主君。

そこな城大工はよき櫓を作った、
だがそやつが敵に降れば弱みが知れてしまう、
そうなる前に斬り捨てよ、と。

何卒お考え直しを、と懇願する田之介。

できぬならコイツで腹を切れ、と刀を放られる。

オーバーラップする折鶴。

死ね、と言われても、
ひとり自分の帰りを待ち、恐らく苦労している妹を思うと、
自ら命を絶つことなどできない、と思ったのかもしれない。

その刀を取り、意を決して大工の後ろに立ち、
ついに振り下ろしてしまう。

鮮血が筵に飛び散るものの、
大工は一太刀では死ななかった。
なぜなら、その刀は錆に錆びており、
酷い切れ味で、首にめり込んだまま抜けなくなってしまったから。

これ以上悲惨な打ち首があるでしょうか。。
この主君、外道だよね。

「我が蔵に眠っていた古刀よ。
 錆びたナマクラだが、貴様には似合いかと思うてな」

田之介がこのナマクラで切腹するもよし、
大工が打ち首になるもよし、って思ってたわけだ。

「さあ、そやつを殺せ、殺すのだ!」

田之介は気が触れたかのように大工を滅多斬りに。

雷鳴が轟く。

「その刀、血を吸うほどに切れ味を増すそうだ。
 真偽は知らぬが、血には事欠かぬなぁ」

と笑いながら処刑を促す主君。

田之介は次々に城大工たちを斬り、
そのたびごとに似蛭は錆が落ちて妖しく光り輝いてゆく。

田之介の心に妖刀自身が語りかけてきたものか、

「似蛭…それがお前の名か…」

呟く田之介の声音はもう、おびえも絶望もない、
冷たく落ち着いたものになってしまっている。

「殿…血が欲しいと、似蛭が申しております」

返り血に染まった田之介はゆっくりと主君近づき、
家臣たちもすべて斬り捨ててしまう。


お前、もっと血が吸いたいか。
安心しろ、俺が吸わせてやる。いくらでも。


そうしてすっかり似蛭に取り憑かれた田之介は
山を彷徨いながら人を斬り続けてきたわけですね。



殿とやらが言っていたことによると、
どうやら似蛭はあにきから部位を奪った後、
しばらく誰かに取り憑いて人斬りを楽しんでいたのでしょうが、
その後錆びまくるほど蔵に放っておかれていたわけですね。

田之介の前に似蛭が取り憑いた人物がいたけれども、
妖しの刀、ということで封じられてでもいたのを、
面白がってこの殿さんが出してきたってことなのかな。

似蛭、意外と人次第というか、
それなりの精神的にヤバいヤツが持ってくれないと
世に出てこられないのだな。。

どろろが特別健全で強靭な心持ってると仮定してもいいんだけど、
どうも人次第、というのは当たってる気がするよ。

多分、鬼神も、割と人次第なんだな。
契約する人間次第。

言ってしまえば、やっぱり一番怖いのは人間、って、
そういうことなんだよね。

鬼神の力を使おうとする者ありき、
鬼神に惑わされる人間の業ありき。

そんな感じがいたします。


しかし、それでも、あにきが視た田之介の魂は
似蛭をふるっているときでさえ、白い炎だった。

これをどう落としたらいいんだろうね。



「来たな」
「行かないで!兄上!」

似蛭が近づいてきたのを察し、出ていこうとする田之介に
すがりついて止めるお須志。





一方どろろとあにき。

「バカっやめっ」

あにきの仕込み刀がどろろギリギリをかすめる。

って、どろろの髪の毛斬っちゃってるじゃんよーーーー
何してんのあにき、それどろろだから!
あんたの「光」ですよ、ちょっと!!
やめなさーーーい!!

「おいらだってわかんないのかよ!」

どうなの?
マジわかんないの?
それとも何か意図があってやってんの?

それにしたってお前、
どろろの身体能力に期待かけすぎなん違う??

二投目も頭狙ってね!?


「くっそー!」

どろろは駆け出しますが、
あにきクッソ速いんですけど;;;;

追いついて、っていうか併走してるんだけど!!!爆笑

なんなの、アレこのシーンの伏線だったの?
そういうのアリ?vvvv

(なんで爆笑なのかは
 暮れの先行上映会のときのトークパートで
 あにき役の鈴木拡樹さんが話していた内容をご存じの方なら
 お分かりであろう。笑
 ご存じでない方は…
 もうコレ、公式で配信してないよなぁ。
 当日と、しばらくは配信されてたんですけどね。
 鈴木さんのプライベートの話だったんですけど、
 まさにこういうシーンみたいなお話しをされてたわけなのです^^)


あにき、横から斬りかかりますが、

あ、このとき、明らかに刀狙ってますよね。

でもどろろが身体能力高すぎて
宙返りして避けてしまってる?


しかしあにきお前、
さっきどろろの髪の毛かすったの忘れてないからな!!

しゃべれるようになったら正座させて
このときのことよくよく聞かせてもらうから
そのつもりでいるように。





「はなせ、お須志」
「お願い、兄上、行かないで、お願い!」

涙を流して止めるお須志ですが、
邪魔をするな、と田之介に突き飛ばされてしまう。

姐被りが外れ、ザンバラの短い髪が表れる。
長い髪をまとめていたのではなく、
やはり短く不揃いな髪を隠していたんですね。

何もかも変わってしまったわ、家も土地も私ひとりでは守りきれず
とうの昔に…
でも兄上が居てくれるなら、あの頃のように、また…
お願い、一緒にいて。
昔の兄上でなくても…私は…

泣き崩れるお須志。

そりゃ、戦に行ったまま
主君も家臣も陣屋で全滅、みたいなことになって
それきり行方知れずになった兄が帰ってこなければ
家はますます立ち行かないでしょう。

お須志ちゃんのこの髪は、売ったんでしょうか。
それとも誰かの狼藉にあったのか。

そこそこの武家の娘だったものが
さぞ苦労して、辛酸舐めて過ごしてきたのは間違いないでしょう。
心細くて、ただただ兄上さえ帰ってくれば、
という想いにすがって生きてきたんだろうな。

その兄はどうやらもう
昔の優しかった兄ではなくなってしまっている。
多分、恐ろしい秘密がある。

それでも、一緒にさえいてくれれば、
という気持ち、わからないでもない。

彼女は彼女で、もういっぱいいっぱいなんだろう。


折鶴に目を落とす田之介。


BGMらしいBGMは、今回琴の音だけですね。
かつてはお須志も、琴でもつま弾くような娘だったのかもしれない。

割いている時間はそう長くないのに、
原作よりもかなり濃密に、
この兄弟の悲哀を描いている印象です。



田之介も何か思うところもあるのか
お須志の横にしゃがみますが、
触れてきたお須志の手を振り払ってしまう。

「似蛭が俺を呼んでいる」

泣き崩れるお須志を残して、田之介は出て行ってしまう。

似蛭が呼んでいるのか、
それとも田之介自身が、もう既に人並みに生きることを自分に許さず、
似蛭による破滅を望んでいるのか。





さて、こちらは
どろろの手から似蛭を弾こうとしている、
もうはっきりそうわかるあにきの戦い方に
ようやくほっとする。


やっと自分の手から離れて落ちた似蛭を見て、
緊張の糸が切れて脱力するどろろ。

「百鬼丸、おめぇ、ありがとな、百鬼丸、の、あにき…」

半信半疑だったのだろうけど、
やっとあにきが刀を弾き飛ばすために仕込み刀をふるっていた、
ということに、
自分を助けようとしてくれていたことに
確信が持てたんだろう。

倒れこみながら、あにき、と初めて呼びました。



おおお、1月28日は「あにき記念日」でしたか!!!

あにきと君が呼んだから!!!


どろろ好きのみなさ――――ん!!!
去年から「あにき記念日はいつなの??」と
やきもきしていたみなさーーーん!!!
ついに呼びましたねーーーー>_<

いつ呼ぶんだよ、不自然になっちゃうじゃんよ、
とか散々文句タレてごめんよ公式。

どろろにとって、「あにき」という言葉は
特別だったんだなT_T
お気軽に呼ぶ呼称ではなかったんだ。

信頼できる、ほんとうに大事な存在と認めなければ
どろろにとって「あにき」という呼称に値しなかったんだ。


孤独などろろが、じわりじわりとあにきに心を開いていく様を
4話もかけて丁寧に描いていただいてありがとうとしか(泣。





似蛭を再び手にする田之介。

気を失ったどろろを支えながら、少し顔を上げてそれを見やるあにき。

まあ、見ると言ってもあにきは
眼球のあるはずの部分で視てているわけではなくて、
脳が感知する、ということなんだろうから
ぶっちゃけ顔がどこ向いてるとかあんまり関係ないんじゃないかと思うけど
どうなの。


あにきアイに映るのは、
赤い妖刀を持つ、白い田之介の輪郭。

白、なんですね。
あくまで、ここに至っても、田之介の魂は白い。


「この刀は俺のものだ。俺だけの刀…」

そういう田之介が今にも斬りかかってくるのを
あにきはもう察しているはずで、

どろろを巻き込まないように路肩まで運び、
そっと寝かせるあにき。


何この大事なもの扱う感じ?

確実に百どろファン殺しにかかってくる感じ?

これあれだよね、映画版のばんもんの前で
景光と対決しようとするあにきを止めるどろろに
当身くらわせて気絶させたあと、
そっと寝かせるシーン思い出させちゃってくれるよね。



「なぜ斬らなかった。
 それでは俺は斬れんぞ。似蛭を手にしたこの俺は」


あにき、白い炎である田之介を、どうするんでしょうか。

どろろのことは、
既に他の炎とは明らかに違う、
自分にとって大事なものと認識している、
それはもうわかるけど。

上段から斬りかかってくる田之介を受け止めるあにき。

チャンバラシーン、迫力あるー
スピード速いので何度も見てしまう。

押され気味に見えるけど、
やはりあにき、似蛭だけ弾き飛ばそうと思ってるからなんだろうな。


宿の2階で沈んでいたお須志の耳に、
兄の戦っている声が聞こえてくる。

窓辺には折鶴がふたつあることに気づくお須志。

ひとつはさっきの、お須志が懐から出した桃色。

それより少し大きな、白い鶴が寄り添っている、
それは恐らく、田之介が持っていたか、
ここで折ったものなのでしょう。

兄にはまだ、人の心が残っているのでは、
そう感じたに違いなく、
お須志は立ち上がる。



あにき、体格差とか関係ないほどの
凄まじい膂力と身体能力をもつはずなのですが、
さすがに似蛭の力を得た田之介に力負けしそうになっている。

かわしながら、背中合わせになるふたり。


おお、コレも映画版で景光と戦うあにきがこうなってたぞ。


ツィでも書いたんですが、
ちょいちょい他の過去リブート作品への共感というか、
クリエイターさん同士の「いいね!」みたいなの
入れてきてくれてるのが心意気感じるよね^^


「待って! お願い!」

必死に駆け寄ってくるお須志の甲高い声に、
気を失っていたどろろが意識を取り戻して起き上がる。


「その人を、兄上を斬らないでーーーー!」


でも、あにきにその声は届いていない。


原作では聞いてはいながら、
田之介の手強さに、
やつを斬らなければ俺が死ぬんだ、とつぶやくあにきでしたが、

そう、今回はほんとうに、その悲痛な叫びは届いていないんです。



後ろを取った田之介の振り下ろす刃を、左腕で受け止めるあにき。

原作ではあにきが左腕を斬りつけられて仕込み刀がはずれ、
腕が?、と一瞬驚いた田之介が
あにきに斬られていますが

新アニメではあにき、とっさに承知の上で、
左腕で受け止めているように見えます。

ゲームのOPムービーと、
そして映画の冒頭の酒場のシーンと同じですね。

これ、百鬼丸のアクションとしては
ぜひ一度やってほしい部分だものねー
やっぱりカッコイイです。


今回うっかり外れる構造ではないようなので、
これも意図的に、仕込み刀を抜いたのでしょう、
その返す刀で、田之介を斬る。

ガハっと血を吐いて倒れる田之介。

田之介、てっきりこのあと
「血が欲しいか、似蛭よ、今吸わせてやる、
 だがヤツのじゃ無理らしい。俺の血を吸え!」と
原作やゲームのように似蛭で自害するものと思いましたが、

そのまま絶命したようでした。

この原作の自害シーン、結構好みでしたので
再現してほしかった気もするんですが、
今回の田之介、
恐らくもう自分ではどうしようもなく、
それでもどこかで誰かに終わらせてほしいと思っていた節がある。

死に場所を求めていた、なんていうと陳腐なんだけど。

お須志と再会してしまったことで、
なんらかの気持ちの変化があったことは間違いなく、
どちらにも行けない自分の決着を
このあにきとの戦いに求めたという気はします。




茫然として、いやいやをするようにゆっくりと首を振るお須志の後ろで
どろろもまた立ち尽くしている。

お須志が待ちわびていた兄とはこの男だったのか、と、
それがつながるのはどろろだけなんですよね。

どろろはどんな気持ちだったろう。
肉親を目の前で亡くす痛みを、この子は知っている。



「兄上…」

似蛭はもとのように錆びて折れていて、
紫の妖しい光は刀身から消えてゆきました。



んん、ちょっと謎が。


原作みたいにはっきりと、
似蛭自体があにきに直接折られた描写がないので。

田之介が斬られたことで似蛭も折れてしまうほどに
同化していたのか?
でもこのとき、田之介の眼、光ってないので
それらしい示唆はない。
きっと彼の魂は白いままだったはず。

やはりあにき、
やむを得ず似蛭ごと田之介斬った?

ここ、何回も見たけどはっきり刀も斬ったのかどうかは
わからんかった。。

キィン、と刃同士の当たるような効果音が入っているので
(こういうキィン、はそうでなくとも使われるので
 確証はないですが)
刀もろともなんだよな、と思うけど。



もし似蛭ごと斬っていないとすると。

このときから遡って5年以内に田之介が持つまでひととき蔵に眠っていた似蛭は
錆びていたけど折れて「死んで」はいなかったのに、
今回は取り憑いた人間の死で死んでしまうの?

それじゃ理屈合わないから
やっばり似蛭ごと田之介も斬った、と解釈するべきなんだろうな。


そして気になるのは、
あにきが人である白い炎を斬ったのは、これが初めてであったのか否か。

やはりこれまでの似蛭の話同様、
使い手である田之介の力量もあって
かなり手強い相手であったに違いない。
似蛭だけを狙っていては危うい、という気持ちは
あにきにあったのだろうと思う。

それでも白い炎、
父やこの小さいの(どろろ)と同じ種類の白い炎を
やむを得なかったとはいえ斬った、
ということが
あにきの心にどう作用しているのかは
今後寺の事件と合わせて描かれていくのだろうとは思いますね。


鬼か、人か、
それを分けるものに繋がっていくのでしょうし。



宿の窓辺の、ふたつの折鶴が映る。



どろろがあにきに腕をつけてやっています。

うつぶせに倒れていた田之介は仰向けにされていて、
その手を取って嘆くお須志。

ふと気づいて見やった兄の死に顔は、
想いの他穏やかなものでした。

兄の心は死に際に安らぎを取り戻したのかと、
お須志は少しでも救われた想いがあったのでしょうか。


原作では百鬼丸を
人殺し、と罵っているお須志。

百鬼丸は「あんたの気持ちに添えなくてわるかった」
と、仕方なく答えています。

あにきの命も十分危うかったのに
肉親を奪われたお須志のこの言葉は
読んでいてとても辛かったものでした。
何もわかっていない小娘にイラっときたりもした。

新アニメでは聞こえないあにきにこの言葉を浴びせられて
どろろがどんな気持ちになるのか
想像しただけでいたたまれなかったため
正直あまり言わないでほしいな、と思っていたので
お須志の年齢が少し上がっていて、
事前に田之介の様子を察するだけの時間をとってくれてあり、
結果としてこの言葉に繋がらないような状況になってくれていたことに
ほっとしました。
アニメスタッフ様、ありがとう。



「あにき…」

兄の遺体にすがって泣くお須志の前で、
耳を押さえて震えるあにき。


あにき、部位が戻る痛み、てヤツが
感覚戻ったときを除けば
これが初めてってことですよね。

歯を食いしばってて、苦しそう。

琵琶の音がビィン、と響く。

と、つくりものの耳が落ちる。

どうやら耳=聴覚奪還です。


先出画像で頭抱えてるの見てしまったから
4話で耳だな、とは思ってたんですが、
できれば先に知りたくはなかったので
もうあまり先出しは見ないと決めたよ私は^^;


途端に大音量であにきに迫る土砂降りの雨の音と、
お須志の咽び泣く声。

初めて聴く音が女の悲痛な啜り泣きとは…

原作では耳を取り戻したあとって
「ほんとの耳だ!」ってあにきが叫ぶくらいで
そんなに描写なかったんですが

(ちなみにPS2ゲームではミオの声を聴いて
 「ミオの声はきれいだなぁ」とか言って口説く。あにきコラッ笑)

それだけに新アニメではオリジナル入れてくるだろうなと
思っていた部分ではあります。


確かに突然外部入力されたらとんでもなく戸惑うよね。。。

毎回自分の過去ネタの話ばかりして申し訳ないですが
14年前に書いた二次小説で

 かつて耳どころか自らの声も脈拍すら持たなかった百鬼丸は、
 人知を超えたその特殊な力で「感じる」以外に
 自分自身の内側ですら、一切無音の世界を過ごしてきたのだ。
 
 例えば「目を閉じる」ことで「見ない」ことを選ぶように、
 百鬼丸が外界を「感じよう」としない場合には、
 「音」というものが発する情報を遮断することになる。
 だから百鬼丸にとっては、「感じよう」としなくても
 周りの世界が勝手に自分に働きかけてくるというのは
 衝撃的に新鮮なことだった。
 
 初めて聞こえるようになったとき、
 「聞こえる」というのは選べないことなのだと思った。
 「心で聞く」というのとは違う。
 ありとあらゆる音が自己主張を争うような喧騒に慣れるまでには
 少々の時間を要したものだ。

と書きました。
今回思ったこともまんまでしたので引用します。

アニメージュで監督さんが
「初期段階では身体感覚の発生や、その喜びを作品の核にしようと考えた。
 しかしそれも行き過ぎると
 押しつけがましくなったり哲学的になりすぎる、という考えから
 バランスを取っていく」と言ってらっしゃいましたが

少なくとも「身体感覚の発生を喜ぶ」というシーンは
必ずくるもの、と思います。

原作でも、どろろが一緒に喜ぶ姿は
こちらもほっこりと、読んでいて嬉しい部分でしたし。

今までのところ、新アニメでは
取り戻して嬉しい、という描写はされていないので
(強いて言うなら右脚戻ったとき指をピコピコ動かしてて可愛かったくらい)
早く喜ぶとこも見たいなあ、というのが本音ですが、
どうもしばらくは取り戻すたびにつらい、みたいな予感があって辛い-_-;




地獄堂では、また一体に亀裂が。

間者から、産婆の行方も赤子についても未だ、と報告を受ける景光。

てっきり「誰が鬼神を倒しているのか」
を探らせているのかと思いましたが

それ以前に「赤子は生きているのか」を気にしていた模様。

やはり贄の赤子が何らかの身代わりで死ななかったことが
未だ天下が取れないこと、
鬼神像が割れ、醍醐領に禍が起こりつつあることとリンクしている、
と考えているということは間違いないようですね。

景光は恐らく、最初に鬼神像が割れたとき以前からもう、
ひょっとして赤子は生きているのでは?
と感じていたのではないかと思います。

それを、ここに至るまで放置していたのは
どんな想いからだったのか。

わずかでも、そこに情はあったのか。

そして今後は、
その滓のような情をも捨てるつもりで外道を進むのだろうか。


醍醐領に、土砂降りの雨は続く。


ED後、雨の上がったお堂の前に
供えられるように置かれた対の折鶴。

お須志が置いたものと思いますが、
わずかでも彼女の心の整理がついていたのかと想像すると
少し救われる思いがします。


鬼神図鑑は当然、似蛭。
 
 
 
さて、次はみおちゃん登場のようです。

辻版小説からの引用なのか、
みおちゃん唄を歌うようですね。


個人的に辛いというか
色々思うところあるんだけど、

ガチでブログの字数制限迫ってるので
ここまでにいたします。


はー、5、6話見るのもしんどそうだなぁ…
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