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pochiの雑記帖です。思いつきで書いたり書かなかったり。
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3月14日の東京公演の夜の部を観て参りましたので
その感想です。
 
漫画やアニメの舞台化というものにこれまで縁がなかったし
舞台なんてお能以外ほとんど観たことがありませんでしたので
どういったものか想像もつかなかったのですが、
ほんとうに素晴らしかったです。

観られて良かった!


1回観ただけですのでウロ覚えの部分が多く、
シーンも「あれこれどの順番だったっけ?」という感じで
かなり記憶曖昧ですので頭悪めの箇条書き感想です。

泣きながら興奮状態で見てるとマジ記憶飛ぶ。
自分で読み返しても文章酷い。


ネタバレ上等、というお方は続きを読むからどうぞ^^

ほんとに激しくネタバレしてるからご注意ください。

これから観る予定の方は多分読まないほうが生で感動できます。




思い出したことを2、3追加しました。









・始まりはやはり琵琶の音で、
 琵琶法師の語りの体を取ってるような感じ。

・縫の方の出産シーンに地獄堂の契約を被せてくるのはアニメと同じ。
 このあたりのセリフは斬られた僧侶のくだりも、ほぼアニメと同じでした。
 産声がすごく響いてた。
 景光が生まれた子を見て驚き、
 「ワシがその他に手に入るものをすべてと言ったからか」
 みたいなこと言ってましたので、そこはアニメになかったかな。

 赤子を連れていかれて縫の方がすがる感じがアニメより激しかったと思う。
 「いやーーーっ」って叫んでたので身につまされる感じでした。。


・そういえば産婆じゃなくて、家臣らしき男に赤子を渡していたな。

・川を流れていく赤子の表現が、布と水の擬人化ダンスになってました。

・寿海が拾い、「生きたいのか!」って言ったところでもう私泣いた。
 そこからほぼ泣き通し。
 実写映画版でもそうだったけどパパのシーンでいつも泣けちゃうんだよ。

・ここで「火炎」が流れてOP的なダンス。
 出演者みんな出てきて踊ってた。

・ホゲタラっぽい音楽でどろろ登場。露店開いてるシーンね。

 どろろをボコるサブちゃんズが倍に増えてたのでどろろ気の毒になった。。。
 でも「おいらは誰の指図も受けねえ」のセリフあって嬉しかった。


・ボコられシーンであにき登場。仮面でした。
 こちらもほぼアニメ準拠ね。
 鬼神とのバトルはダンサーさんがいっぱい出てきて
 布とかで鬼神の動きを表現するスタイル。
 

・殺陣がスピードあってすごかった。
 拡樹丸の動きは目が見えてないって感じアリアリ。
 攻撃をかわすのに無駄に大きな動きをしないで
 ギリギリでシュッと避けてるのがカッコよかった。

 冒頭からしばらくあにきのカラクリ感半端なくて
 ほんとに人形っぽかった。拡樹丸すごい。


・泥鬼倒して皮膚奪還はアニメと同じ。

・お須志ちゃんとの雨の中の出逢いもアニメと同じ。

・どろろ役の北原里英ちゃんがすごく良くて、梨央ちゃんと同じセリフを
 ほんとに同じイメージで言ってて、子供に見えるんですよ!

 まあ、成人女性が演じているには違いないんですが、
 今回がどろろを成人女性の演じる最初だったら風当りあったかもしれないけど
 実写版のコウちゃんがあってこその自然なキャスティングができたんだと思うな。

 ほんとうにリアル年齢の子役さんが演じたのでは物足りない部分がきっとあったはずで、
 梨央ちゃんも含めて、実際のどろろよりも年齢が上の女性が演じてくれて
 よかったと私は思う。

 
・田之介の殺陣はイッちゃってる感すごい。
 ゆらり、という感じで、
 操られているような、正気じゃないような動きが独特でよかった。

・どろろが似蛭に操られそうになって必死に抵抗しつつ村人に刀振り回すシーンあり。
 舞台が始まった頃どなたかが「どろろの舞台スターウォーズだったってほんと?」
 って言ってて、なんのこっちゃと思ってたら
 どろろが似蛭振り回すところ、ガチで効果音とビジュアルがライトセーバーでした。
 あにきが刀弾いてくれて、「ありがとな」とどろろが言うシーンはあったけど
 あにきがどろろを路肩にそっと横たえるシーンはなかったな。笑
 
・そういや似蛭のくだり始まるときにもうあにきって呼んでたような。
 百鬼丸、と文字を書くシーンとかも回想っぽくまとめて見せてる感じになっていて、
 全体にリアルタイムと回想が同居する表現が多用されていたので
 アニメ観てない人にはちょっとよくわからなかったかも知れないけど
 そもそもアニメ観てない人ほとんど来ていないと思うので別に構わない部分かな。

・アニメの折鶴エピソードも使われてました。

・お須志ちゃんが「なぜ兄さんを殺したの」って
 責めるほどでもないけど、あにきに叫ぶシーンがありました。
 その後耳奪還して音に戸惑うシーンも。

・似蛭のあとばんもんに突入だったので
 あにき、音がうるさくてフラフラしながらにぎやかな街に入る羽目に。

・ミオちゃんの寺のくだりどうなのかなと思ってたら
 かなり後のほうで琵琶さんが語る形で出てきて、
 ミオちゃんの件は過去の物語になってました。
 つまりあにき、片方の脚を取り戻しただけの状態でミオちゃんと出逢ってる。
 耳聞こえてない。

 
・ばんもんの化け物退治に来て助六に出逢う。
 母に会いたいという助六の境遇を聞いて、手助けしようとするどろろ。

 「あにきにもいるのかな、おっかちゃん」とどろろがあにきに言っていて、
 あにきは母という概念を初めて知ったような感じでしたね。
 

・多宝丸はデカかった(笑。
 いや、ほんとに舞台映えする役者さんだったなぁ。

 醍醐夫婦の「国ごと小さな礎に乗っていることをお忘れなきように」っていう
 例のやり取りがあって、多宝丸が両親の秘密をいぶかしんでいるシーンは
 アニメとほぼ一緒でしたね。
 母上は喜んでくださらない、好まぬのは私でしょう、というシーンも。

 
・舞台は兵庫と陸奥はおりませんでした。
 配下くらいはいましたが、特に名もなきモプだったしな。
 父の御庭番捕まえて自白させるのも多宝丸がやってました。
 兵庫と陸奥がいないと、途端に多宝丸の生存確率下がる気がするよね、、、

・景光が地獄堂でビジョンを見せられて、
 赤子が生きていて、鬼神を倒している、というのを知ってしまうシーンも
 アニメとほぼ一緒でしたね。

・結構頻繁に通路を役者さんが通る演出がされていて、
 私1階の、通路の真ん前の席だったので
 拡樹丸を約50㎝の近距離で見てしまいました。。
 いや、足袋履いてて役者さん足音がしないので
 ステージ見てて全然気づかなかったんですけど、
 横に誰か立ってて、てっきり遅れてきた観客をスタッフさんが誘導してるのかと思ったら
 なんとあにきだったという。
 その後目の前を光速で走り抜ける拡樹丸も堪能させていただきましたvv
 

・ばんもんで狐と戦うシーンでは多宝丸との共闘ありでした!
 2人が揃うたびに「火炎」が流れちゃうんだけど笑
 「お前は誰だ?」と多宝丸が尋ねるシーンで前半終了、幕間でした。

・兄弟息ぴったりで戦ってたのがカッコ良かったですね。

・助六がばんもんの混乱に乗じて母を探しに壁の向こう側へ。
 結局はどろろも一緒に、「壁を越えようした罪人」ということで
 牢に入れられることに。
 母はきっと死んだと落ち込み、気力を失くした助六を励ますどろろが健気だった。
 
 どろろの過去話はここで少し母のことが語られるのみですが
 「おいらは目の前でおっかちゃんに死なれたからもう2度と逢えない。
 でもお前は違うだろ。あきらめるな」っていうの泣けてくる。


・そんでその牢で三郎太にも出会っちゃう。
 逃げよう、というどろろと助六に手伝うぜと持ちかけてくる。

 やや胡散臭いサブ。
 でもリブートでは色々に使われてて結構使い勝手がいいサブ。

 逃げるのを手伝ってやるから、俺の頼みも聞いてくれ、
 化け物に母を殺された、その化け物退治を手伝ってほしい、と。
 今回は彼、鵺がらみなのね。

 
・ばんもんで処刑に引き出されそうになり、
 三郎太と共に逃げようとする助六とどろろ。
 助けに入ったあにきに九尾の狐も出てきて
 景光と縫にも遭遇してしまうのここだったかなぁ。
 すみません、ちょっとこのあたり興奮状態で記憶が飛んでる。
 「坊や」とか「殺せ」とか「ははうえ」とか大変なことになってたんだよ。

・あれ?あにきどの時点で声戻ったんだか忘れてしまった。。。
 九尾だよね。
 九尾と戦ったの、多宝丸と共闘したときよね?

・縫の方、新嘗祭の巫女として祈りをささげるシーンがありました。
 でも巫女さんて普通未婚女性でないの?笑
 観音菩薩に帰依してる人が巫女というのもなんだか…?


・順序曖昧ではっきりしないんですが、
 このあたりに前後して多宝丸が両親を問いただして
 「それでも人の親ですか!」って非難するシーンよかった。
 おお、コレ誰かに言って欲しかったぞ、って思うじゃないですか。
 多宝丸がかなりまともな倫理観もってるというのはほっとしますよね。

 でも景光もね、この時代としては一概に責められない覚悟を述べてきちゃうわけですよ。
 曰く、隣国から狙われ、飢えて死ぬのを待つばかりの領民を救うめに
 領主として、捧げしは他ならぬ我が子。武士としてなんら恥じるところはない、
 と言い切ってしまうのよね。
 お前の子供はお前の持ち物ではないよ、というのは現代の理屈だしな。
 領民を犠牲にしたのではない、国を守るものとしての覚悟である、というような。

 多宝丸も、お前が国を継ぐ気でいるのならどちらを取る、と言われて
 ぐっと黙るしかなくなってしまうし、
 母の縫も、自分はただ祈るだけで、所詮綺麗ごとの中に生きてきただけだった、と
 領主の妻としての覚悟と、母親としての我が子への愛の間で迷う。

 この、母に「自分は綺麗ごとを言ってきただけだった」と意識させ、
 あにきサイドにつかせないあたり、結構壮絶な感じした。
 無条件にあにきのことだけを考えてくれるのって
 ほんとにほんと、どろろだけなんだっていうの鮮明。

 寿海ですら、自身の過去に囚われていて彼自身の「綺麗ごと」から逃れられず
 ただ殺生を繰り返せば闇に堕ちるとばかりを言い募って、
 あにきの当然の権利ともいうべきものすら諦めさせようとするように感じてしまう。
 あにきが人の心を失ってしまうのでは、
 と懸念しているのはよくわかるのだけど、ね。
 言わば偽りの繁栄の犠牲になっている彼を
 醍醐の民ですらない寿海が、そのままでいいと何故考える?


・正直に言うと、私は「醍醐の繁栄」を守ることに執念する人々がうすら寒い。
 その繁栄はまやかしであるのだ、という自明の理を、
 何故誰も口にしないのだろうという違和感は少し持っている。

 ただそれは私が現代の感覚で物申しているからなのであり、
 このような乱世で、いつ滅ぶかというような綱渡りの生き方を強いられる時代というのは
 なりふり構わぬ「侍の理」が個人の権利に勝る時であるのかも知れない。
 単純に比べることが叶わぬ以上、答えの出ない問題ではある。


・縫の方、それでも母として他にどうしようもなかったのか、
 鬼神に「これ以上人の身体を望むなら、私の身体を!」
 って自害しようとしちゃう。
 縫の方と、あにきと戦って片目を負傷した多宝丸を庇うように
 一旦は引く景光。
 醍醐のモブに「鬼だ」って言われちゃうほど激昂してて
 あにきも大混乱で絶叫。
 かなり怪我もしてたようで、ほぼ戦闘不能になりかけ、琵琶さんが助けに入る。
 琵琶さんさすがに強かった。


・記憶定かでないですが、このあたりで寿海パパも登場。
 そうだ、牢にいるときにパパも捕まって牢に入れられてきたんだった。
 どろろが「百鬼丸のあにき」と、助六に話しているのを聞いて

 どろろに「百鬼丸と旅をしてるのか」って聞いてましたっけ。
 自分は「足手まといになるばかりだから」と一緒に行ってはやらなかったけれど
 それは実は言い訳で、自分はどこへも行けぬ、と自らを戒めて閉じ込めているんだよね。

 琵琶さんが戦場で弔いをしているパパに遭遇して、
 「生きてるもんにはしてやらねえのかい?」とか話しかけてました。
 話相手を探しているんだ、と言って、
 義手義足の少年に会った、という話をする琵琶さんに
 百鬼丸を知っているのか、と問うパパ。
 パパは琵琶さんに、自分の過去と、赤子を助けて身体を作ってやった話をする。

 その回想の中で、脚を取り戻してるシーンありました。
 でも右じゃなくて左脚だったような?

 百鬼丸と名付けたシーンもありました。
 「結局ワシは何もしてやれず、ただ殺生を教えただけ」と、
 百鬼丸が人としていられなくなるのでは、ということばかりを気に病んでいるパパ。

 琵琶さんから今の百鬼丸の話を聞いて、
 いても経ってもいられず、と言う感じで
 琵琶さんと一緒にあにきに会いについて来たってことなのかな。

  
 ・一方多宝丸は母上が信仰している観音菩薩が身代わりになったのなら
 約定は破れているのでは、と父を問い詰める。

 不服なら地獄堂で我が契約を破ってこいと言っちゃう景光。
 お前が後を継ぐのなら、国か兄か、どちらを取るか決めろというように迫る父。

 多宝丸は結局国を取る。
 地獄堂で鬼神と契約した、、ようなのですが、
 これちょっとわからなかったんですけど、あにきに斬られてた目、戻りましたよね??
 鬼神に目を戻してもらう、というかあにきの目を譲り受けた?みたいな?
 その代わりに鬼神の望むように、あにきを殺すということ?
 それを以って、醍醐領の加護を再び約束させたということなのかな?
 こういう細かい部分てさすがに一回テンパって見ただけじゃわからんなぁ。


・傷つき疲れ切って眠るあにきに話かけているどろろ。
 早く目を覚ましてくれよ、起きたら喜ぶヤツがいるんだからさって。
 目が見えるようになったら見せたい、
 秋になるから、もうじき山が真っ赤になるんだ、
 春と、夏と、秋と冬という季節があって
 世界はそれは綺麗なんだ、とあにきに伝え続けるどろろ。

 もうこのシーンはほんと泣けてしまった。
 だって、寄り添っているのはどろろだけなんだもの。
 みなどうして、彼に何かを強いることしかしないのか。

 
・あにきの看病を代わる、といってパパが来て、
 どろろは出ていき、パパとふたりになるあにき。
 「ボロボロになったなぁ」と、身体を拭いてやるパパ。
 自分が作ってやった義足が壊れかけていることに気づいている。

 と、あにきが目を覚ます、というか、
 多分少し前から起きていて、どろろの声も聞こえていたんだと思うんだけど。

 「何もしてやれない」というパパに、
 「これ、ほしい」
 と、義足を指差す。新しい義足を作ってほしいという意味のようです。
 でも、それはできない、というパパ。
 新しい義足をやったら、またお前は鬼神を殺しに行くんだろう、
 そしてそれを邪魔されれば、殺すのは妖ばかりでは済むまい、
 それを続けていてお前は人でいられるのか、と問う。
 お前が鬼神を倒してゆけば、醍醐の民はお前の敵になる。
 そうしたら誰もいなくなる、お前はひとりになってしまうぞ、と。

 でもここで、あにきが言うんですよ、「違う」って。
 「違う、いる。どろろ」

 これを聞いたときの私の気持ち、わかっていただけますか。
 あにき、何があってもどろろは傍に居てくれるって思ってるんだって思ったら
 もう泣けて泣けて。

 このシーンすごく嬉しかった。
 「どろろ、俺は寂しいぞ」っていう、あの原作のセリフとはまた一味違って、
 あにきがどろろという存在を強く求めているんだなって、
 どろろが救いで、癒しなんだなっていうのがね、胸に迫っちゃって。
 これほんとにほんと、嬉しかった。

 
・俺のものだから。取り戻す。だから鬼神は全部殺す、
 と言うあにきを更に憂えるパパですが
 琵琶さんが
 「奪われたのは身体だけじゃないと思っているのかもねぇ」
 と、ミオとの出来事をパパに話す。

 ミオは聞こえない百鬼丸に唄を唄ってやっていた。
 お互い大事に思っていたのに、美緒は侍に殺された、と。
 (舞台のミオちゃんの殺され方、ちょっと酷かったよね、、、)

 心にぽっかりと穴が開いてるんだ、それを埋めるのは、、、という琵琶さんに、
 「あの少年か!」とどろろを思い浮かべるパパ。
 三郎太との約束で鵺を倒しに行くあにきとどろろを見送りながら、
 「その子を大切にしなさい」
 って…パパ!!!
 多分パパどろろの性別わかってないんだろうけど
 その言葉は私にはモロに刺さるよ?
 パパ公認じゃんもうどうする???笑


・「ワシは何もしてやれなかった」ばかり繰り返すパパに、
 あにき、そうじゃないって伝えたかったようです。
 「視えてた、いつも。知ってる、それが何か。…はは、うえ」
 そう呼んで、いつか旅立った日のように、寿海の頬に触れるあにき。

 ははうえって…
 いやちょっと、これはないよ、これはやられたよ、
 もう泣かせに来てるじゃんずるいよ…!

 あにき、恐らくはどろろと助六の会話から、
 慈しみ、傍にいて愛してくれる存在を母と呼ぶのだと学んだのでしょう。
 だから、自分にそうしてくれたひとをそう呼んだ。

 あにきを抱きしめながら、「それは違うぞ!」と泣き笑いするパパ。

 こんな再会を見られて、もう何も言うことないです。
 私は原作の寿海に対してはちょっと思うところがあるので
 何度もここで申し上げていますが、リブートにはパパの改変を望んでいるのです。
 ずっと、パパと心の通じた百鬼丸を見たかった。
 それが満たされてすごく幸せです。ありがとうと言いたい。


・鵺戦ですが、サブがやっぱり一癖二癖ありました。
 病の母を背負って峠を越える際、鵺に遭遇し、
 母は食われてしまう。
 その母を助けられず、逃げてしまったことに呵責を感じ、
 その心の弱みに付け込まれて、鵺に取り憑かれてしまっていたのでした。
 鵺を倒したいのではなく、鵺に食わせるために人を連れてきていたのね。
 ちょっと原作の白面不動テイストかな。

 苦戦するあにき。
 どろろは鵺に囚われてしまう。
 しかしどろろを助けようと、決してあきらめず果敢に向かっていくあにきに
 屈折して三郎太はイラつく。
 「なぜお前は逃げないんだ! 俺はお前のようにはなれない!
  だからお前を殺す!」
 鵺に己を食わせて、同化するサブ。

 どろろが心配なあまりなのか、逆上してバーサーカーになるあにき。
 鵺サブを倒しますが、オーバーキル状態なのを
 琵琶さんとパパに止められる。
 「もうやめなさい、死んでいる」

 しかしどさくさでどろろは景光にさらわれてしまっていた。
 あにきを殺して契約続行をもくろむ景光は、どろろを囮にしようとしているのね。
 助六がそれを知らせにくる。


・醍醐領は朝倉の軍勢に攻められて大騒ぎに。
 あにきは再び多宝丸と対峙することに。

 剣を交えるうちに、多宝丸に
 いきなり現れて、お前のせいですべてが崩壊する、みたいなことを言われて
 「お前は最初からここにいたのに、なぜ足りない?」
 と聞くあにき。
 何も奪われていないお前がなぜ欠落を感じているのか、と。

 「俺と同じだ。足りない」
 「だとすればお前が奪った!」
 母の愛も、揺らがず尊敬できていたはずの父への信頼も奪われたと言いたいのか。
 多宝丸の満たされず欠けた心の哀しみを感じて切ないけれど、
 思うことはできなかったのだろうか、
 「お前の犠牲の上に建っている国など要らぬ」とは。

 そうなのかもな。
 そういう価値観を持てるような環境ではなく、
 そしてまだたった15歳なんだものね。
 でもこれも景光の大罪には違いない。
 多宝丸が、己と同じように鬼神と取引するように追い込んだのは景光なのだから。
 この点に関しては一辺も景光に理はないように思う。
 自分が最期まで責任とれよおっさん。
 何を、もうひとりの息子にまで業を背負わせてるんだよ。


・一方どろろ。
 牢に縫の方が現れて、どろろを逃がしてくれる。
 どろろはあにきに対する醍醐家の仕打ちに憤り、
 あの子を守ることはできないという縫に
 ほんとのこと言えよ、と迫る。

 おいらのおっかちゃんは最期の最期までおいらを気にかけてくれてた、
 だからあんたもそうなはずだと。

 縫の方もついに言うのです、
 あの子が産まれたときのあの姿を見て、愛おしいと思った、と。
 それをあにきに言ってやってくれ、と
 どろろは縫と共に、あにきを探す。

・あにきがわずかに勝り、ついに決着がつく。
 しかしあにきは多宝丸にとどめを刺さなかった。

 「なぜ加減した? 首を落とせたのに」
 「同じだ。お前も」

 多宝丸はあにきを「兄上」と呼び、「これはお返ししよう」と
 自らの目を剣で貫く。
 やっぱり目、あにきのだったんだよね、コレ、、、
 致命傷はこの、自らの眼を深く貫いたことによるもの、なのよね…?

 鬼神と取引してしまい、あにきの目を自らに取り込んでしまったことで
 もう多宝丸に生き残る道は残されていなかったのか…!
 無念だなぁ。
 生きて、まやかしでなく、醍醐領を立て直してほしかったのに。
 でもそうか、いずれ一向一揆で追われることになるこの地だから、
 だからこそ多宝丸を演出的に添えるわけにいかないのか。。。

 アニメどうなるんだろう。
 民衆の側についてサポートする稀有な元領主、というのも
 いいと思うんだけどな。

 多宝丸生きてほしかった!生きてほしいよ!!


・多宝丸が息絶え、あにきは目を押さえて苦痛に叫ぶ。
 そこへやってくるどろろと縫の方。そして寿海も。

 母はあにきを抱きしめ、
 「あの日そなたを放すのではなかった。
 ずっとこうして抱いていればよかった」と語る。
 
 ああ、こう言って欲しかった。
 この上なく哀しいけれど、それでもよかったよね、
 それでもまだ、救われる。
 

・城が焼け落ちそうになり、
 大きな柱が倒れてくるのを、身を犠牲にして支え、
 あにきとどろろの退路を確保する寿海パパ。
 「おまえはその子と行きなさい、生きるんだ」と、
 逃げるよう促すパパ。
 叫ぶあにきを連れて、どろろが意を決して脱出する。
 
 柱が崩れて寿海は倒れ、
 炎の中で縫の方は多宝丸に寄り添い、
 「寂しい思いをさせてすみませんでした。
  これからはずっと、そなたの傍に…」
 
 生きている間に、何故言ってやれなかったのか。
 あまりにも切ない。


・城から逃れてきたふたり。
 あにき、目が戻っている。

 「どろろ…」
 「あにき、見えるのか?」
 頷くあにき。
 「どろろ、お前、綺麗だな」

 どろろ以上に驚いたのは私です。
 そしてもう声を殺して号泣してしまった。。

 案外可愛いな、じゃなかった。

 でも、でも、綺麗って。
 それ、どろろの語彙から学んでる。
 季節が彩る世の中が綺麗だって、あにきに言ってた。

 好ましく、素晴らしいものを「綺麗」というのだと、
 あにきは認識しているわけです。
 だから、どろろを「綺麗」と表現したんだよね。

 これ以上の言葉があったろうか。
 
 この日何度思ったかしれないけれど、
 嬉しかった。ただただ、私は嬉しかったです。


・「行くところがある」、とあにき。
  
 どろろはわかってる、と見送ります。
 景光と決着をつけに行くのだと、どろろは悟っている。
 あにきの望むようにさせるべきだと思っている。
 そして言うのです、

 帰ってこい、おいらは待ってるから、絶対帰ってこい、
 鬼神に手でも脚でも、目だってくれてやれ、
 おいらが目になってやる、
 だから必ず帰ってこい、と。

 生きて帰ってきてくれるなら、
 生きてほしいから、命を賭してまで鬼神を倒そうと思うなと、
 生き残ることだけ考えてくれと、どろろは言ってるんですよね。
 あにきがどんな姿だっていい、あにきはあにきだから。
 どろろとっては彼の欠損などどうでもよくて、
 ただその存在が大切なんですよね。

 もう私、号泣するのみ。
 
 これこそがどろろのテーマではないかと。

 正直原作の冒険王版からラストにかけては
 冒険王設定故か離れよう離れようとする百鬼丸に違和感を持っているのだけど、
 私は「どろろ」という作品のコアというのはここにあると感じている。

 何もかも満たされることなんてない。
 何かを手に入れたら、何かを失うのかもしれない。
 世の中は、みんな多かれ少なかれ不幸なんだ。

 それでも、どんな人でもどんな姿でもその命の尊厳は等しくて、
 それを傍らの誰かに肯定してもらえる幸せは何ものにも代えがたい。
 アウトプットもインプットも、分かち合う誰かがいてこそ、
 初めて真の意味を持つものだと思う。

 欠損を埋めても、心を埋められなければ満たされることはない、と。

 例え世界にふたりぼっちだって、お互いが居れば生きていける、
 そんなふたりが愛おしい。
 
 そういう部分を丁寧に拾ってくれていて、
 この脚本にはほんとうに感謝したいです。


・景光と対峙するあにき。
 「その目で見たこの領土はどうだ?」と聞かれて
 「それほどよくない」と答えるあにき。
 「そうであろうな」と景光。

 景光は、まだあきらめていない。
 妄執と言えばそれでしかないのだけど、
 多宝丸を失って尚固執してもいるのだろう、
 お前を殺して醍醐領を立て直す、と言ってはばからない。
 あの日お前を殺しておくべきだった、
 自分が悔いるのはそれだけだ、と。
 
 「ワシが憎かろう、殺せ」

 あにきはしばし逡巡していたようですが、
 やがて剣を収める。
 「何故殺さぬ」
 「俺が行く道はそれじゃないから」

 修羅の道に堕ちることを選ばなかったあにき。
 景光を自ら殺して業を背負うことがなかったのは救い。
 
 生きろ、と言い遺し、景光を残して去る。

 多分多宝丸を失った醍醐領はもう立て直せないだろう。
 一向一揆に失われるのみになっていくはず。
 ここで死んだ方がラクだったのは景光であり、
 だから生かしておくのが
 舞台の監修もしている靖子さんの心づもりなのかもね。

 (えっ、、、そう考えると多宝丸生存は厳しいのか…!?
  いやまてまて、まだ何か道はあるはず…!
  さっきも書いたけどいっそ民衆の側につくとか!)


・助六の家族は逃れて生きていて、再会できていた。
 どろろにお礼を言う助六。よかったね^^


・行き交う人々を眺めながら、街角であにきを待ち続けるどろろ。
 琵琶さんが
 「いつまで待つんだい?」と声をかけてくる。
 「あにきは必ず戻ってくるんだ」とどろろ。

 「生まれたばかりだからなぁ、あいつも、あんたとの仲も」
 「え?」
 「だっておまえさん…」

 ニヤニヤしながら、まあいい、と通り過ぎる琵琶丸。

 こ、、、これって(笑。
 
 おっさん、今あんた、「女の子だろう」って言いかけたよね?
 そういう意味だよねコレ!!

 もうううなんですかこの脚本書いた方ほんとに百どろですね!?笑
 
 日暮れまで待ち続けるどろろ。

 すると、何かを見つけて立ち上がり、
 ほんとうに、ほんとうに嬉しそうに手を振る。



 そして終幕。





 うわーーーーーもうやられたーーーーーー!!!
 コレだよねコレ。
 待ってたのコレでしたよ!!!

 いいの、これくらいでも十分いいの。
 この余韻がたまらないの!!!

 
 よかった。観てよかった。
 マジ泣きすぎてなかなか出られず、
 気が付いたらお客さんほとんどいなくなるまで座ってた。


 ありがとう。
 キャストの皆さんほんとに素晴らしかった。
 
 後半はアニメでもこれからの部分なので
 また何がしか変えてくるのだろうと思うんですが、
 少なくとも納得させてもらえるだろうという期待は捨ててない。

 哀しいだけに終わらせるなら、リブートの意味はないから。

 私の中でストンと、腑に落ちることを祈っている。

 私も全力で受け止めます。


 〇十年もどろろ好きでよかった。
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無題
pochiさんの感想待ってました・・・!ありがとうございます!
読みながらまた泣いていました・・・
寿海とのやり取りで心温まり泣き、百どろで嬉泣きをし、兄弟の決着、多宝丸の死で号泣し私もひたすらに泣きっぱなしでした笑
多宝丸に関しては舞台には陸奥兵庫がいないのでアニメはまた結果が違うと信じています

学生の頃にどろろを読んでから、ぽっかり空いてた心の穴が埋まったような舞台で本当にありがたかったです・・・!
ハナヲ EDIT
at : 2019/03/16(Sat) 15:05:40
ハナヲさんありがとうございます!
舞台泣けましたよね!
私もほぼ終始泣いておりました。。
原作トラウマ勢には素晴らしきセラピーでございました…!
多宝丸、2019版はほんとうに深く描いてくれているので嬉しいですが、願わくば彼は未来に生きてほしいです。
おっしゃる通り、兵庫と陸奥が居て、10話のような展開があるというのは、舞台と敢えて変えてくるということだと期待しております^^
読んでくださってありがとうございました!
管理人pochi EDIT
at : 2019/03/17(Sun) 01:16:02
観てきましたーーっ!!
おいらもライビュ観てきましたーーっ!
あかんあかん❣️これは、あかんですー
思っていた以上でした✨✨✨
ゑびす EDIT
at : 2019/03/17(Sun) 21:40:39
素晴しい感想を読ませてくれてありがとうございました!
あああ激しく同意です。。多宝丸の契約がよくわからなかったとこも。。

ほんと終わって幸せな気持ちになりました。
紅葉倫子 EDIT
at : 2019/03/17(Sun) 23:48:28
ゑびすさん、いらっしゃいませ!
ライビュから御帰還されましたか!
ほんと、思っていた以上というお言葉、私もその通りでした^^
哀しいシーンも多かったですが、心揺さぶられるとても幸せな時間でしたよね!
同じお気持ちで光栄ですvv
管理人pochi EDIT
at : 2019/03/18(Mon) 07:29:32
紅葉さん、いらっしゃいませ!
読んでくださってありがとうございます!
私も紅葉さんのベッター拝読いたしました!
私なんかよりずっと冷静に要点まとめていらしてすごいです;;
同意していただけて光栄です^^
確かに多宝丸のあのくだり、少しわからなかったですよね。
ほんと、一回観ただけでは色々見逃していそうなので、円盤待ち遠しいです。
幸せを紅葉さんと共有できて嬉しいですvv
管理人pochi EDIT
at : 2019/03/18(Mon) 07:34:56
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