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pochiの雑記帖です。思いつきで書いたり書かなかったり。
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1クール目のクライマックスでしたが
予想をはるかに超えて「重てぇ食いもん」だった。。

醍醐夫婦が毒親過ぎて絶句する。

ママ上も多宝丸ももう少し悩も?















「かつて、己が野望のため、我が子を鬼神に食らわせた父。
 食らわれた身体を取り戻すため、闇から這い出ようとする子。
 その子の犠牲の上に繁栄する醍醐の国で、今ふたりは、初めて顔を合わせる。
 その炎の意味を、百鬼丸はまだ知らない。
 知らぬままに、ただ引き寄せられていた。」

ナレーションからスタート。

このナレーションは興味深かった。

己が野望のため、と言い切りましたね。
死にゆくばかりだった領民のため、は、
建前は、どこかへいってしまったということなのだろうか。

11話で縫の方が景光を
あなたの立身出世のためなのではないのか、と責めるシーンがありましたが、
景光の本心とはまさにそこにある、というリードなんでしょうか、これ。
 
凡夫ゆえにさして巧く立ち回れず、
死に体の国を抱えてついには鬼神と契るに至り、
それが意外にも上手くことが運んで
かつてのように報われぬ情熱を傾けずとも国は栄え、
権力を手にして、なけなしの良心をも失い、
16年の間に変節した景光の姿を、ここに見ているのだろうか。

鬼神に心を浸食されて、外道を更に堕ちていく父。
 
もう少し前までの、
少なくとも多宝丸が幼い頃までの彼ならば、
多宝丸をも業に堕とすことなど
考えもしなかったかもしれないのに、
今景光はそれさえ厭わなくなるほどに堕ちているのか。

舞台を見たときにも思ったことなんですが、
今回の景光の何が酷いって、
多宝丸に対してすら父親の愛情を示さなくなっているように感じることで、、、
後でまたこれについては言及したいと思います。
 
 
そして「その炎の意味」とは。

他の人間とは違う、クロームのような、流れるような白の中に混ざる赤。
あにきの魂の色と酷似しているわけなのですが、
多宝丸も同じようなクローム様であったということは
血のつながりを意味していると考えるのが妥当でしょう。

肉親故に、引き寄せられるような感覚を覚えた、
そういうことを言ってるんだろうな。

原作でそれを「あたたかみ」と表現していたあにきに
初めて読んだとき少し驚いたものでしたが
このときこの新アニメのあにきが感じていたのも
赤が混じっているにも関わらずそれに近いものだったのだろうかと思うと
この後の展開に胸が潰れるような思いがします。


「だれ、だ?」
 
 
 
ここでOP。



このOP見納めでしたねぇ。
思えばコレがハイクォリティ過ぎたんだよな…

新OP、百どろ的には希望に満ちてて素敵だったけれど
正直に言うと狙いすぎではないかと思ってしまった。。

公式が同人みたいなんだもん^^;
OPってコンセプト的なものでいいと思うので
そんなに細かいとこ拾ってくれなくてもいいんだが。
 
若干作画に不安を感じたのと、
多分その作画のばらつきが原因でまとまりがなく思えた。
せっかくのあにきのどろろへの微笑も魅力半減-_-;
あの、どろろに笑いかけるあにきの作画は
もう少しなんとかならなかったのかな>_<;
せめてミオちゃんに微笑んだときくらいの綺麗な作画を望んではダメですか。

制作現場相当忙しいのだろうな。。。
でも「どろろ」ってそういうクオリティで作られているのだと
こちら信じて1クール終えてしまったからなぁ。
 
最初にものすごいものを提供されてしまったせいで
こちらはついつい欲張ってしまうんだよね。

看板であるところのOPの作画に
まるで別キャラのような作画のバラつきがあるのは
少しいただけない、、のではないだろうか。
 
 
それと、、
他の皆さん肯定的なのでちょっと言いにくいんだけど、
冒頭で蟲に食い荒らされてるあにきのイメージ映像、だと思いますが
アレちょっと私しっくりこない。

原作から入った人は結構そうじゃない?

私原作大好きですが、別に原作至上主義ではないんですよ。
冒険王版設定、PS2以外では好きじゃないし
故に冒険王版のラスト気に入らないし。
寿海パパのこともちょっとひっかかっているし
多宝丸もステレオタイプ過ぎるし
景光の描き方もあまりに薄っぺらいと思ってる。

むしろそういう「原作のアカンとこ」を
リブートでどう変えてくれるかを楽しんでいるファンです。

でもね、あにきに関して言えば、
やっぱり感情豊かな、というか、
新アニメでも、内に秘めたるものはもともとそうであり、
また次第に表にもそう現れていく彼が楽しみなのです。
 
あんな虚無なイメージ、最初から持ってないので
少し違和感ある。

俺はがらんどうだ、と言ってもそうじゃないのが彼だと思ってきたので
存在を「人形」として表現されるのは違う気がして。
美しかった朽ちた「人形」が汚されるのを愛でるみたいな
病んだ耽美趣味みたいなあの感じ
あんまり好きじゃない。
 
イメージ映像だからね、
何も感じられずにただ朽ちていくみたいな
あにきの不安や欠落感をこそ表現しているのだろうけれど、

自分は心を失ったのだ、という原作の冒頭の百鬼丸は
つまりはそれを口にするくらいに怒りに満ちていたんだと思ってる。
そんなこと言う人間の心は実のところ感情を抑えているだけのものじゃない?

闇堕ちに焦点を当てるのも好みではないけれど、
虚無よりは憤りのほうがまだいい。
 
今回リアリティを追求して、
取り戻す前の身体が人形のようだ、というのは
最初の仮面を含めてなかなかいい改変だなと思っているんだけど、
あにきの中身を「人ではない虚ろで儚いもの」みたいな感じに表現するの
あんまり好きじゃないんだな。。
それは寿海の下で過ごした幼少期の生命力を否定しているようで矛盾しないか。

結局ね、火炎のOPがあまりにもよかったばかりに
ついつい完成度を比べてしまうんだよね。
 

ごめんなさいね、読んで不愉快な人もいらっしゃるかもだけど、
ケチつけてるつもりは全くないのです。
私は私の感じたことを正直に書くのみなのです。
大前提としてこんなに夢中になって追いかけているからこそだとご理解くださいまし。




さて本編にもどろう。




「なんだ、お前は」
「痴れ者め!お前如きが口を利ける御方ではないわ!
 我が国がご領主、醍醐景光様を知らぬのか!」
更に問うあにきに、景光の従者が吠える。

あにき、屈伸するように仕込み刀を地に立てたかと思うと、
小石を弾いて弓を構えていた男の手から弓を落とさせ、
一瞬の間に景光の背に、その馬に飛び乗る。

相変わらずすごい身体能力ですな。

「お前は、なんだ?」

景光の眼には、かつての、皮膚を奪われた赤子の姿に見えるあにき。
忌々しげに手で払おうとする景光を避け、
また元の位置にひらりと戻る。

「何故生きている…この、生まれ損ないの鬼子めが!」

うっわ、、、言っちゃうんだな、そういうこと。

原作の景光はほんとに小物でね、
あにきが我が子だと気づいても
腕が立つから配下にしちゃおうかなラッキーみたいな感じで、
それはそれでアホちゃうかコイツ、って腹立ったもんでしたけど
これはこれで……殺したくなるよな。

はっと目を見開くあにき。
ああ…
景光の言う意味、どの程度わかったんだろうか。

「殺せ!」

景光の号令で一斉に矢が放たれる。
あにきは義手を回収しながら難なく避けて逃げ去る。

「追え!」と叫びながら兵たちがその後を追いますが、
「殿、ここは一旦お屋敷へ」
あにきの動きが尋常でないのを目の当たりにして、
側近が景光を促す。

「何故生きている、お前は…」
 
まあ、あの状態で生きているのが不思議と思うのは仕方ないんだけどさ。
これ以上ないほど後ろめたい気持ちから
恐怖と忌避心でいっぱいなんでしょうな。

闇に葬ったはずの、己の外道の証が、
生きて目の前に現れて、現在の己のすべてを脅かそうとしている。




林の中をとばっちりで矢の当たったらしい獣?が逃げていくのを
あにきと勘違いして追っていく醍醐の兵を
木の上から眺めているあにき。
景光の言葉を反芻し、顔をしかめる…

「俺は、生まれ…損ない…鬼…」

鬼子、の意味なんか知らないだろうけど
鬼は鬼神に通じるものだから、理解しているんだね。

生まれ損ないって…お前が言うか景光。
もうほんとお前死ね。



一方どろろ。
助六を探しにきて、ふたりとも捕まってしまったわけですが、
どろろ吊るされちゃってます。
フンドシが…女の子なのに!!
もう知らなかった人もみんな知ってるのに丸出しだよ!
ばんもんじゃないけど原作でどろろが吊るされてるシーンあるから
わざわざ入れたんだとは思うけど、
ここで吊るされるのあまり意味のないシーンでは?

公式ィ、過ぎたるは及ばざるが如しって言うよ?^^;
 
原作ではかなりボコられて矢で射られちゃったりもしてましたけどもね、
それは別にサービスシーンだったわけではないよ、、

「このやろ、はなせよ! はなせってば! 助六!」
「どろろ…」
「ええい、世話が焼ける小僧だ」
「助六を放せ! そいつはおっかちゃんに会いに来ただけなんだよ!
 うちに帰るだけなんだ!」

どろろの言葉に涙ぐむ助六。

「うるさい! ばんもんを越えてきた人間は、すべて化け物の国の人間だ」

国境の見張兵に殴られるどろろ。

「化け物の国…?」

ここで暗転してしまう。。
なんか、このあともっと殴られましたみたいな余韻がイヤだなオイ。。。

しかしどろろも??ってなってましたが
化け物の国、とはつまり、、醍醐の国って、
周りからはそう思われてるってことですよね。

周囲の国に比して、明らか異様に栄えている醍醐の国を、
回りの連中はそう呼んでいるのか。
民俗学なんかでよく言われる、
「栄えていることの理由を何か異界からもたらされたもののように位置づける」
というヤツかな。

座敷童なんかの理屈ですよ、
「あの家が裕福だったのは、座敷童がいたからだ」と。
努力や才能のせいにすると、自分が劣っていることになってしまうから、
他者が自分よりよい状況にいることを
降って湧いた外からの幸運のせいにしてしまうという装置として
物の怪というのは存在させられていた、という考え方。

ただこの物語の中では化け物=物の怪は本当に存在しているわけで、
事実醍醐の国もその加護によって栄えているわけだから
まさに真実をついているわけですが
揶揄しているのではなく、ほんとうにそう思われているのだろうか。
あの国はおかしい、化け物じみている、と???

でもなあ。
これまでの醍醐周辺の国でも
絡新婦の時なんかはけっこうカツカツに貧しい村が描かれていたけど
村人にどろろやあにきが辛く当たられたり差別されて追い出されたり、
みたいな描写は特になかったので
そんなに周辺の国だけ困ってて貧しい、という対比は感じないんだよなぁ。

明らかそういうふうに描いてくれていれば納得するんだけど、
最近の話まで醍醐だけ栄えているって感じはなかったから
周辺の国から化け物の国と思われているというのは少し意外ではある。

もしそれが周知のことならば、
景光程度の武将が何故あんなに豊かな国の国主でいられるのか、
胡散臭い話だと周りの国主から思われているということなのかな?



外は満月。
どろろが目覚めると、牢に入れられておりました。

大人の囚人に混ざって、膝を抱える助六もそこに。

「助六! 大丈夫か? 怪我は?」

ゆっくりと首を振る助六。元気がありません。

うちには戻れなかったのか?と尋ねるどろろに
うち、なかった、と助六。

「えっ」
「村中皆殺しにされたって。おっかあも、きっと…」
「助六、大丈夫だって、ほら、おいらがいるじゃねぇか。
 百鬼丸のあにきだって、絶対助けに来てくれるって!
 そしたら、一緒に旅しようぜ! 泣くなよ…」

助六を励ますどろろ。
この子ほんとにもう、なんていうか…T_T

「そうだ、泣くな」

囚人のひとり、おっさんが話しかける。

「心配いらん、醍醐の民には観世音菩薩の加護がある」
「観世音菩薩?」
「あーあ、朝倉のヤツが、一枚板でしかないばんもんに阻まれているのもそのためだ。
「ばんもんに憑いてるのは鬼神だろ?朝倉の兵が言ってたぜ。
 化け物の国だって」
「醍醐の国に手を出すものこそ、鬼であり、化け物だ。
 必ずや天罰が下る」

醍醐の民は、景光のプロパガンダのおかげでそう信じ込んでるわけですね。
でも朝倉の連中は、
ばんもんに化け物が巣くっていて攻められず、
あたかも醍醐を守っているかのように感じている。

ああ、ただそれだけの意味なのかな。
国境の兵だけが「化け物の国」って言ってるだけならそうなのかも。

今後あにきとどろろが旅をしていく過程で
醍醐の国が周辺からどう見えているのかははっきりしてくるのだろうか。

この後のくだりで、実は景光の配下は真相をある程度知ることになるわけだけど、
その話は広まっていくのだろうか??

そうだといい。
だってわかって欲しいじゃない、
偽りの、まやかしの繁栄なんだってこと、周囲にも、本人たちにも。

その上で領民がどう思うのか、
つまりはあにきにどういう態度を取るのか、、、
新章で明らかになるのかな。
良い予感はしないけどな-_-;


おっさんの持っている手ぬぐいの紋章を見てどろろが気づきます。
あにきのお守り袋と同じだと。

「あれ?その家紋、確か…」
「醍醐家の家紋であり、旗印だ」

えっ、と息をのむどろろ。

と、その鼻柱に水が一滴。
上を見上げて、
どろろは洞窟を利用したはるか上の天井に穴が開いていることに気づく。

「穴だ!外に繋がってる!」

ありゃ狭すぎてダメだ、とおっさんは言いますが
おいらたちならいける。助六逃げるぞ、と、めげないどろろ、さすがです。

「こんなとこに居たら殺されちまう」
「いいよ、そしたらおっかあに会える」助六はあきらめていますが
「バカ!こんなことでくじけてどうすんだ!ほら立よ!」どろろは急き立てる。

嫌だ、と抵抗する助六。
あの高さじゃ無理だ、やめとけ、とおっさんも。

「いってやる。こんなとこで死んでたまるか。
 おいら侍には、戦には負けねえって決めたんだ!」

どろろ逞しい。この子はほんと強い。
こういうところもあにきを惹きつけてるはず。

「助六、待ってろ、きっとあにきと一緒に助けに来るからな」

あにきと一緒に、ってところがどろろの可愛さなんだよなぁ。

「どろろ…」
助六も感ずるところがあったようです。



場面変わってママ上がまた首なし観音に祈っている。
観音像には前回の最後にヒビが入っちゃってます。

これが何を意味しているのか。


「若、一旦お鎮まりなされませ!」と陸奥の声。
「放せ!」
多宝丸が母の居室に入ってくる。

「母上!」
「多宝丸、どうしたのです」
「母上は、手足も、目も鼻も耳も、すべてを鬼に食われた赤子を覚えておられますね?」

はっとする母。
多宝丸は前回の狂女の言葉から
ついに真相に気づいたということなのか、
母に直談判に来たわけですね。

「16年前、父上と母上が無残にも鬼に食わせた赤子のことを」
「忘れたことなどありません」

静かに答える母。

縫の方がこのあと何を思い、どう行動するのか。

私、舞台と違うものを期待していたんですが、、、、




再びどろろ。
自然の洞窟を利用して作られた牢の壁を登って行きます。
足元が崩れて思わず叫んでしまい、牢番に見つかってしまう。

「あのガキ…!であえーーー脱走だーー」

おっさんが急げ、と声をかける。
どろろを射ようとする牢番に、助六が飛びついて止める。
矢は他の兵からも放たれますがギリギリどろろに当たらずにほっ。。

原作だとどろろ、ばんもんで射られちゃってね、
雑誌掲載版だと痛がって「あにきーー」って泣いちゃうんだもん、、
当たらなくてよかった;_;

牢番ともみあいながら
「どろろ、行けー!おいらも諦めねえよ!お前を待ってる!」

どろろはなんとか穴から這い出ますが、川に落下。

原作ではばんもんの兵にボコられて簀巻きにされて川に落とされ、
そこを助六に拾われる形になってましたけど、
川も使ってくるのだな新アニメ。





「赤子を川に? 何も知らぬまま、国のために…それでも人の親ですか!」

多宝丸、よくぞ言った。

これは舞台も同じでした。
誰か言ってくれよ、ってセリフだものね。
多宝丸が言ってくれるのほんと嬉しかったよね。

たほよ、、そのまま心のままに貫いてくれればよかったのになT_T

母は言うべき言葉が見つからないのか、しばし黙っていますが
そこへ景光が乱入してくる。

「親なればこそ為しえたのだ」
「父上」
「多宝丸、そなたは知るまい。かつてこの国にあった、地獄のごとき日々を。
 度重なる飢饉、流行病、天変地異、それに付け込もうとする周辺諸国。
 もはや風前の灯だったこの国を、鬼神との約定が救ったのだ。
 この国の豊かさを喜ばぬ民はおらぬ」
「民のためとは名ばかり。その実は、父上の野望のためではございませぬか!」

おっ。言い切った。「せぬか?」じゃくて「せぬか!」って言ってるよね。
前回のママ上も言ってたけど、
野望のためって家族にバレちゃってる感じ、
舞台よりはっきりしてるように思う。

「領主の利はすなわち民の利ぞ。そのために犠牲にしたは他の誰でもない我が子。
 武士としてなんら恥じることはない!」

これも舞台でもあったセリフなんですが、、、
なんでだろう、舞台の感想でも書きましたが、
舞台で聞いた時には「ああ、そういう理屈か、この時代の武士ならそうなのか」って
現代の感覚とは違うんだからこの時代の侍にそう言われるとなあ、って
ちょっと思っちゃったりしたんですが、
アニメの景光が言うとただただムカつく。
詭弁こいてんじゃねえぞって思う。

やっぱり親子邂逅のシーンの外道っぷりと
妻にも息子にもナレーションにも「己の野望」って言われてるのモロ響く。

「しかし…」

多宝丸、父の言葉に怯んでしまう。
怯むなよ!もっと怒って坊ちゃん!

「曲者!」
そこへ警護の兵の声が。

「百鬼丸!」と多宝丸。

屋敷の塀の上にあにきが立っています。

醍醐家の警備スカスカ、、なわけではなくて
あにきが凄すぎるんだろうそうなんだろう。。

あにき、気になってつけてきたんだろうか。

見つめ合う母と息子。


あにきアイでは…あ、、ママ上も暗めのクロームっぽいね。
赤が混じってるのは景光だけだけど。

やっぱり鬼神との因果に関わってるとこうなのか。

ママ上も「契約した側」ということなのだな。
まあ知らんでは済まされないでしょうけれども。

しかしね、私はね、ママ上が「祈るばかりで過ごしてきた」のは
坊やが死んでいると思っていたから、だと思ってたんですよね……
だから、生きていると知ったからには、、、と期待してたんだけどなぁ。


あにきの頭の中では、
何故生きている、この生まれ損ないの鬼子めが、という
景光の言葉がこだましている。

母はあにきを見て我が子と分かったようですが、
陸奥の「であえー!」という言葉で兵がやってきて弓が放たれる。
あにきは苦も無くそれを避けていますが、

母の「坊や!」という叫びにはっとするも、矢から逃れて姿を消してしまう。

「陸奥、兵庫、よせ!」
追いかけようとするふたりを止める多宝丸。

兄だから、ということもあるけれど、
あにきの力量を知っているからこそ、ふたりに深追いさせたくなかったのだろうな。

「殿、お怪我は」
「大事ない。あれを逃すな! 必ずや仕留めよ!」

おのれ景光ぅぅ! あれってなんだよ!

「殿!」
「父上! あれは私の兄上…」
言いかける多宝丸を遮って
「多宝丸! その兄のために国を差し出すか!
 なんの痛みも背負わず、ただ己の善良さのために再び民を地獄に突き落とすか!」

怯む母と息子。

「その覚悟あらば、あの地獄堂へ行け。行って我が鬼神との約定を破ってみせよ。
 さすれば兄の身体は戻るであろう。国は亡ぼうともな」

多宝丸、眉間にしわを寄せてわなわなと震えておりますが、、、

これはアカンやろ景光。
これは最低や。

このへんの会話は舞台とほぼ一緒。
舞台でもマジかよ、って思いましたが。

多宝丸に「地獄堂へ行って約定破れるもんなら破ってこい」とか
それだけはお前、言っちゃダメなヤツだろ。

何故多宝丸にも業を背負わせようとする。
お前が。
お前が最後まで責任とれよ。

原作のブレブレ影光は、バカだけど多宝丸を愛してましたよ。
(まあ、多宝丸死んでしばらくしたら忘れちゃったっぽいけども-_-;)
それがお前ときたら、、、何息子ヤバいほうへ煽ってるんだよ。

私この2019年版展開正直意外だった。

今回の景光って、もう少し愚直なくらいに
「民草のため」って言いはるもんだ思ってた。
己ですべて背負い込む覚悟くらいしてるんだと思ってた。
多宝丸を溺愛してるのは変わらないんだと思ってた。

実写版の景光ってそんな感じだったし。

それがここへきてなんだか胡散臭さマックスになってきたよね。

矮小な、しかも原作より憎々しい男の輪郭が浮かび上がってきたような。

なんの痛みも背負わず、己の善良さのために、と息子に言うのならば、
お前だってなんの痛みも背負ってないだろ。

息子を差し出したことに何がしかの痛みを感じているならば
あんな言葉を吐きかけるはずもない。

ただただ己の栄華の後ろめたさの真実を滅してしまいたいだけ。
しかし己が力量で一代を築いたのではなく、
チートな手段に訴えたことが知れれば、今度は開き直るのみ。

これはもう息子たち悲惨の極みだよね。。


一体、景光が鬼神と契るまでにどれほど国を守り治めようと努力をしたのか、
それは知る由もないですが、
それなり無力感に苛まれ追い詰められるくらいにはがんばってみたのかもしれない。

鬼神と契るやとんとん拍子になんでもうまくいくようにでもなったのか
それともやはり「あれだけが奪えなかった何か」のために
約定は不完全であり、
綻びのある「加護」を補い、苦労もあったのか、
そのあたりよくわからないんだけれど、
景光がもう少し有能であったなら、そして
息子に恥じることのない矜持を持とうというくらいに武士らしいプライドがあったのなら
ここからの何かが違っていたのかもしれないと思うのに。
結局彼は一度外道に踏み出してしまったからには
それを正当化するために息子の前で開き直ることしかできなかったのだろうか。

今回のどろろは誰かが絶対悪ということはなく、
景光すら彼なりの理屈がある、という見方の方がこれまで多かったと思うのだけど、
今やそれは怪しくなりつつある。

今更ながら思い出されるのは、第一話冒頭の僧侶の言葉です。

踏み出せば、この先あなた様を待つのは地獄、と。

そこに多宝丸までも引きずり込もうとする、
それは景光の絶対悪でなくてなんだろう。




蝉が鳴いている。

もうずっと、何話にもわたって蝉が鳴いているので、、、
長く辛い夏だなと。

寺の事件から二ヶ月も経っていないというのが
ちょっと信じられない思いがします。


あにき、火を焚いて、狼煙でも上げている、のかな?
どろろに合図送っている、というか、
このふたり、はぐれたらそうしようみたいな取り決めしてるの?



坊や!

この生まれ損ないの鬼子めが!

両親の言葉を思い出しているあにき。


と、茂みをわけでどろろがそこに現れる。

「あにき…」
「どろろ」
「よかった…」
よろめいて膝をつくどろろ。
しばらくあにきを探して彷徨っていたのだろうか。
あにきを見つけられてよかった、ってことかな。

「あにき、一緒に来てくれ、助六が!」





朝倉の牢では
助けは間に合わんぞ、貴様らは醍醐への宣戦布告として、ばんもんに磔が決まった、
と言われている助六たち。

「どうやらばんもんに巣くっていた妖が追い払われたようでな。
 これで安心とばかり、我が殿も本腰を入れたというわけだ」

さっさと出ろ、と促される囚人たち。

前回、そういえばちっさいのが合体して九尾になって、
あにきに襲いかかったけど反撃されうえ、
景光が来たのでどっか行っちゃいましたもんね。


「こんな年寄りや負傷兵まで駆り出されるとは、朝倉はそれほどの大群なのか」
「いや、お屋敷に妙な曲者が出たとかでな、手が足らんらしい」

国境の街の醍醐の民には動員がかかっているようです。

ふーむ、、醍醐軍て、そんなに多くない、というか強くない?
やっぱり鬼神の加護にのうのうとして、それほど兵を強化するとか
そういう国造りをしてきたわけではない?



その頃琵琶丸は地獄堂の中に居ました。

「領主が討ち果たしたなんざとんでもない。
 なんとか封じられているのはこの一体だが、
 それもどうやら怪しいねえ」

「こいつぁ、あたしなんかが生半可に関わっていいもんじゃあない。
 しかし、あれだけの鬼神をどうして抱えていられるのやら」

地獄堂を後にしながら琵琶さんが思っている。

彼、まだ特にあにきと結びつけてはいないみたいですね。
琵琶さんはいつ知るんだろう。


一体だけ封じられている、というのは
「奪えなかったあれ」なのか。


てことは、ここの鬼神は。。
以前いくつかパターンを述べましたが

何らかの理由で像に宿るか、あるいは封じられているかしていて、
景光と契ることによって世に出られたもの、なのでしょうか。

あれだけが奪えなかった=契約できなかったから、
封印を解いて外に出られていない、のだろうか。

それとも像を依童(よりわら)のようにしていただけで
元から封じられてなどおらず、
時に地獄堂を訪れる人間と契り、やりたい放題していたものが
16年前に菩薩に邪魔されたうえ一体だけ封印されてしまったのか。

前回観音菩薩の像に亀裂が入ったのは、
この鬼神の封印が破られつつあることを示していたのかも。

それは何故だったのか。
ああ、多分、、、それはママ上の…




「百鬼丸…誰が名づけたかは知らぬが、
 あの子のこれまでがうかがい知れるような…」

観音像に祈っている母。
ここで観音像が映るというは
間違いなく鬼神のひとつを封じているのは観世音菩薩様なのだな。




さて、「地獄堂に行ってみろ」と父に言われた多宝丸は
兵庫と陸奥をお供にほんとにやってきました。

途中の豊かな田畑を、馬を止めて眺める。

「戦が近いとは思えぬ景色ですね」と陸奥。
「これを守るということは、兄上を…
 それはあまりにも人の道に悖る。そうだろう?」
同意を求めますが、兵庫は唸るばかり。

「我らは答える立場にありませぬ。ありがたいことに」
陸奥の言葉に
「お前はいつもそうだ」と多宝丸は遣る瀬無い様子。
「ただひとつ、我ら兄弟は幼きときに敵方の捕虜になっておりました。
 醍醐の国の優勢かなければ、今ここに居りませぬ」

多宝丸はその言葉に何か納得したように馬を進める。

おお、新事実。
陸奥と兵庫って、多宝丸より少し年上で、
幼い頃には、つまり醍醐が死に体だったころには
敵方に捕虜として取られていたんですねー
醍醐が突然に栄えるようになって同盟でも結ばれて、
戻ることができたんですな、きっと。

答える立場にはない、幸いにも。

臣下としての本音でしょうね。
多宝丸には酷な言葉ですが、
それは主君の仕事です、ときっぱり言われちゃってる。
こういう価値観の時代なんだよな。

それはわかるんだけどさ、
それでも多宝丸には今回いくつか
「誰かに言って欲しかった言葉」を言ってもらえてるから、
そういう彼に本来普遍的であるべき心のありようで
真っ当に行動してほしかったんだけどなあ;_;

景光の呪いのような言霊が彼を浸食している。


途中で琵琶さんとすれ違う。

おや、これは、、と多宝丸に注目する琵琶さんに
「何か?」と陸奥。
「あ、いえいえ、なんでもありません、ごめんなさいまし」
とやり過ごす琵琶さん。

随分と百鬼丸に似た…と琵琶さん。
彼の視界には、普通に白い炎のような魂の兵庫と陸奥、
そしてクロームような多宝丸の魂が視えている。



朝倉との戦に向けて、出陣する醍醐軍。

ママ上が憂い顔でそのときの声を聞きながら、
懐剣を握りしめる。



地獄堂についた多宝丸一行。

「これは…鬼神像のこの傷。尋常ではありませぬな」と陸奥。
「無傷なのもあるぞ」と兵庫。
「若、殿と鬼神の約定は、既に破られつつあるのでは」
「兄上によってか…」

と、突然咆哮のような音とともに突風が吹き、
鬼神の禍々しい妖気が3人を襲う。




その頃どろろとあにきはばんもん近くの森の中。

「醍醐景光っていや、この国の殿さまだろ?
 その家紋がさ、あにきの持ってるお守り袋の家紋と同じなんだよな。
 そんで、その奥方様があにきのことなんて呼んだんだって?」
「坊や…」

どろろはただ事実を聞いているだけなので、
その背後の陰惨な事情はよくわかっていない。
手を打ち鳴らして
「間違いねえ! みつかったんだよ、あにきのお父ちゃんとおっかちゃんが。
 兄弟もいるってことだ。すげえ、よかったな、あにき!」
「俺の…」
「そう、あにきの!」
「おっか、ちゃん…」

少しあにきの口の端が上がるのが…切ない。

どろろは子供で、そして何より自分に照らして
肉親というものの絆を信じて疑わない。
あにきがどういう言われでどろろに出逢うまでひとりだったのかを、
何故親許で育つことがなかったのかを、
大人ならばもっとシニカルに考えてみただろう。

このどろろの言葉が、
あにきに一縷の望みを抱かせてしまっているということは
なんという皮肉だろう。

この後に何が来るか知ってい私たちは
ただこのどろろの純真な喜びに目を伏せるしかない。


「助六のおっかちゃんはもう…
 いや、助六はあきらめてねえ。
 あにき急ごう!ばんもんに打ち付けられちまう前に」



地獄堂の異変からなんとか脱出して扉を閉める兵庫と陸奥、多宝丸。
悔しげに扉に手を突く多宝丸に
「若、どうする?」
兵庫が問いかけますが、無言で陸奥に制される。

陸奥はなんというか、先手に回る頭の良さが顕著な人だよな。
相手の思考や行動の先をゆくタイプ。
それが災いして、多宝丸のために命を落とすことがないといいのだけど。

「なんの痛みも背負わず、ただ己の善良さのために、
 再び民を地獄に突き落とすか」

景光の言葉を反芻し、拳を叩きつける多宝丸。

一呼吸置いて考えてくれよ、多宝丸。

では両親は、
相応の痛みを背負っているのだろうか?
父は我が子を犠牲にして得た栄華を守らんとし、
母は壊れてお前をすら満足に愛せず、ただ祈っていただけではないのか。

何も知らない民は、嬰児を犠牲にして偽りの繁栄を謳歌していただけで、
それを取り上げられたとしても
文句を言う筋じゃあない。

人身御供だとか、大義のための個の犠牲だとか、
そういう価値観の時代だとしても、
今現代に見ている私たちは、
 当たり前の道理が置き去りになったのではやはり遣り切れない。
 
多宝丸生存ルートには、
それに気づいてもらうしかないような気がするのだけど。



ばんもんでは助六たちが板塀にくくられている。

「もはやばんもん恐るるに足らず。
 我が朝倉の挨拶代り、受け取れ!」

矢が放たれ、助六の左右の大人は皆射殺される。

「おのれ朝倉ぁ! もはや殿の到着を待つまでもない。かかれ!」

醍醐と朝倉が交戦状態に。

「戦の声! 始まっちまった。あにきどうしよう?」

ここまでずっと手を引いて来たのかどろろ。

あにきは狐火に気づいてはっとする。
ふたり周りにいくつも狐火が現れる。



地獄堂から帰路につく多宝丸一行を見かけ、
「なにやら因果の歯車が一巡りしそうな雲行きだねぇ。
 見届けるのもまた因果」
琵琶丸もばんもんへ向かう。


侍女の制止を振り切り、きらびやかで重い衣を脱ぎ捨てて
縫の方も馬でばんもんへと向かう。
「ただ祈るだけの年月。私はなんと、綺麗事の上にいたのか…!」

実写版で母・百合も馬でばんもんへ向かうシーンがありました。
彼女は密かに配下の御庭番にあにきを探らせ、
恐らくは多宝丸と景光を止めるためにばんもんに向かっていた。

この縫の方も、そうであればいいと思っていたんですが。

舞台でも、正直「えええっ」て思いましたよ。
でも舞台ではあれよと言う間に次の展開が来て、
結局はどろろの介入があってああいう形に収束したので
ああ、まあ、うん、、と納得するほかなかった、みたいな感じでした。

でもアニメはラストまでまだ半分。
ここでの彼女の行動をこちらも物思う時間が長いこともあるし、
あるいは舞台とは違う展開になってくれやしないかと
期待してもいたんだけどな。




字数オーバーしそうなため、後篇へ続きます。

長くてごめんなさい;;;
でもほんとに今回言いたいことあり過ぎなんだわ。。。



「ばんもんの巻・下」感想 後篇 ↓

http://pochias.blog.shinobi.jp/Entry/1057/


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