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pochiの雑記帖です。思いつきで書いたり書かなかったり。
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山田洋次監督、真田広之、宮沢りえ主演の
2002年作品、「たそがれ清兵衛」を観ました。

予備知識なく観ましたので
てっきり藤沢周平の短編「たそがれ清兵衛」の映画化なのだと思っていたのですが
全然違ったのですね、これはびっくりした。
同じ藤沢作品の別の短編と合わせて原案としており、
山田洋次が新たに書いた脚本なんですね。

表題「たそがれ清兵衛」が巻頭に収録されている
ワタシが大好きな短編集から「祝い人助八」が使われていて、
病気で妻を亡くした助八が
親友の妹で幼馴染の波津に身の回りの世話をしてもらうようになるが
上意討ちを命ぜられて、という展開なんかは
子供がいることは違ってますがほとんどそのままなので
むしろこちらのほうが原作といったほうが近いような内容でした。
あとは「竹光始末」からもエピソードを使用してましたね。
EDのクレジットにちゃんと3作のタイトルが出ていたので
ほんとに短編「たそがれ清兵衛」の映画化ではなかったんだなーと。
たそがれ、というあだ名を使いたかったのと
タイトルとして座りがいいので
使っただけといってもいいな(笑。
原作の清兵衛の、藩の事情とかは割とどうでもよく(笑)病妻をいたわる愛とか
そんなのはまったくなかったですな。

当時の時代考証にかなり気を遣っているのだそうで、
凄くリアリティのある映像でしたし、俳優さんも皆素晴らしくて
内容も深かったですし、
ぐっとくる、たまらないシーンも多かったです。
率直に泣けましたしとても素晴らしい出来だと思いましたが、、、

ワタシ個人的にはふたつの点で非常に残念でした-_-;

ひとつは、ワタシは原作となった3本の、
掘り下げれば大変に暗い、
上意で人斬りをしなければならない立場に追い込まれる、という内容でありながら
どこか本人が飄々として、お上も政変も何処吹く風、
下級武士の強かに逞しく開き直った生き方みたいなもの、
全体にユーモアを感じさせる雰囲気が好きだったので
それが表現されなかったというのが正直残念。

主人公の、出世などまるで望まぬ朴訥とした性格はよく描かれていましたが
とにかく貧しさが強調されていてあまり明るく淡々とした感じではなかったので。

これは山田洋次さんがそういう映画を撮るつもりではなかったというひと言に尽きるので
映画のカラーそのものが違うのであり、
たまたまワタシが原作のそれを期待したけれども
この映画はそうではなかった、というだけのことで、
山田監督がそうしようとして失敗しているわけでは決してないので
それは映画の質の問題とは違うと思うのですよ。
原作を知らなければ全然ひっかかる部分ではないので
多くの方には構わないことなんだと思います^^


もうひとつのほうが問題なのだ。
実はむ、、と思ったのでちょっと調べたんですが
やっぱりラストには異議のある方が他にも居られるようですね。

はっきり言ってしまうとラストが余計ですな-_-#
あれでぶち壊しです。
むしろ怒りを覚えてしまった…
映画の出来としては↓で書いた「蝉しぐれ」に比べるとかなり完成度が高い作品だと思いますが
ラストでひっかかると痛い。
お蔭で観たあとの全体評価はあんまり変わらなくなってしまいました^^;
ラストで大きくマイナスです。


どうして無理やり戊辰戦争につなげようとするんだろう。
時代劇を撮ると、
歴史的事実に繋げることが映画のクオリティをあげるとでも思ってるんだろうか。
非常に幻滅しました。
日本映画の低迷期に若かった山田監督の限界を見たような気がした。
このひとは映画観る人の気持ちわかってない。
自分が作りたいように作るのは結構ですが
何か現実的な悲劇を提示して見せることが高尚な気がしちゃってて
エンターテイメントの部分を完全に忘れていると思う。

原作の「祝い人助八」の簡素でいて感動的なあのラストの余韻を
どうしてぶち壊してくれちゃったんだろう。
どうしてせっかく幸せになれたたった3年後に戦死した話なんか聞かせるんだろう。
悲劇的結末を後日談で聞かされたりするのは
ずっと観てきて感動的終幕を迎えたと思った視聴者には正直苦痛です;_;

年配の婦人となったらしい娘の語りとして話が進んでいるので
ラストには年取った姿の娘が登場するかなとは思ってましたが
いらなかったなー。
絶対いらなかったあのラスト。余計だ。

娘は
「ひとは父を不運といいますが、父は幸せだったと思います」
なんて言ってましたが
そんなことは娘という名の他人の勝手な言い草以外のなんでもありません(笑。

人斬りなんかせずに、ただ家族と幸せに暮らしたかった、
国がひっくりかえったら武士を辞めたっていい、と言っていた男が
やっと想いが叶って夢見た人と結ばれたのに
そのささやかな幸せはたった3年しか続かなくて、
まだ娘も幼い頃に戊辰戦争に巻き込まれて射殺されただなんて、
どこが幸せだったんだオモテへ出ろ馬鹿野郎、というキモチでございます(怒。


ラストまではとても素晴らしかったのに完全にぶち壊し。
なぜ宮沢りえと手を取り合ったシーンで終われなかったのか。


ほんとは藤沢作品の映画化で山田洋次監督の評価があまりにも高いので
キムタクは正直・・・・・・・なんですが
「武士の一分」も観ようと思ったんですけれども
すぐに観る気は失くしました…

そのうちいずれ、と思いますが
そもそもキムタク好かん、という先入観が邪魔するなーとは思ってたんですけど
益々変な先入観無しでは観られなくなってしまったさ。。
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