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pochiの雑記帖です。思いつきで書いたり書かなかったり。
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「憑神」を観てきました。

が。

うーん…私的に60点くらいです。
感想は結構辛口になりますので
ネタバレ&辛目オッケーの方だけご覧くだされ。


う~~ん…
正直もう少し面白いと期待していたので残念でなりません。
普通の映画、としか言いようがないです(-_-;
はっきり言ってあまり心に残るような、もう一度観たいような映画ではありませんでした。
なにしろ涙腺の弱さ日本一を自認するワタクシが
一筋の涙も流れませんでしたし。
あー、、
泣きゃいいってもんじゃないですが
胸に迫るもんがなかったというのは痛いかも。

前半だけならもう少し点入れてもよかったんですけどね。
後半イマイチだったのであまりすっきりしません。

まず、これは制作側の非では全然ないのですが
観た映画館が設備最低だったんですよ(-_-;
あれはあまりにもヒドイ。
狭くて古くて音響も悪く、
はっきり言ってあそこで上映される東宝は訴えてもいいのでは、というくらいヒドイ設備。
何より非常灯が明るくて、
せっかくの木村撮影監督の画面の美しさが半減。
光量の少ない画面がグレイがかってしまって観づらかった(T_T)
それでのめりこめなかった、というのは正直あるにしても、、

映画自体にクライマックス感というか
盛り上がりが欠けていたのが非常にもったいない。
脚本あまりよくないですね。。
原作のテーマや良さが活かせていたとは思えませんでした。
後半はむしろ、、、
はっきり言いますが死神パートからラストまでが
余計なシーンが多いわりに
ちっとも彦四郎の決意にじんとくるものを持たせる演出がされておらず、
役者はなかなかの人を揃えていたにも関わらず
妻夫木くんも含めて総じて誰も彼も印象が強くない。
笑えるはずのシーンも後半は中途半端な感が拭えず、
ほんとに面白かったのは貧乏神のくだりだけだった。

西田敏行さんはとてもよかったです。
飄々としてコミカルながらも得体の知れないコワさ不気味さも醸していて
妻夫木くんもつられてなのか、いい感じに絡んでたと思います。

でもそのあとがねぇ…
総じて何もかもが中途半端な印象。
いい役者さんばっかりだと思うんだけどねぇ、、、
キャラが全然生かせてない脚本。
原作では兄の左兵衛も
実はもう少しモノ考えてるひとだったのね、的なシーンありますし、
九頭龍(疫病神)も原作ではもっと涙もろくて愛嬌あったですよ。
蕎麦屋のオヤジの香川さんも
ワタシ大好きなのでかなり期待してたんですが
イマイチ見せ場なくて不満。。

そして妻夫木くんが。
…ゴメン、正直に言うとあまりしっくりきませんでした。
どうにも普通でしたな。。
もっとすごい演技できる人だと思うのに。

というか、彦四郎のラストのカッコよさって、
もっとずっとずっと
「おおお粋だよ兄さんカッコイイよ!」と涙で拍手、的な演出できるはずじゃなかったか。
肩透かしくらいました…
もったいなさすぎる。

妻くん、
降旗監督の指導でああいう演技してたんなら
もはや演出と脚本が悪いとしか言いようがない。

幕末の複雑な江戸の世相を思うと
御家人の立場、特に下級武士の立場ってものすごく苦しくて微妙だったはずで、
くすぶった江戸の雰囲気の中で
彦四郎の決意、決起は他の御徒士侍(おかちざむらい)や周囲の人々の誇りとして描かれ、
新しい時代を受け入れようとしながらも
徳川の泰平二百年を辱めることは自らの存在価値も揺らいでしまうと、
最後の最後に、
むしろ来るべき時代の土台のためにけじめをつけようとする姿は
切ないながらも清々しくカッコよかったはずなのに。

まことの礎たれかし。踏み越えて進む者の力となる、巌たれかし。

この言葉、すごくいいなって思ってたんで。原作の。
そのままの言葉を使えというんじゃない。
でもそういう感じ、映像からはもうひとつ胸に迫ってこなかった。

上野の彰義隊に馳せ参じようとする息子と甥を止める際に
少しだけそんな感じのセリフを言ってましたが、
一番大事なトコが不十分だった気がするんですよ。
彦四郎は何も不甲斐ない上様の身代わりに名誉を守ろうとした、
それだけだったわけじゃないのに。
原作読んでない人にもちゃんとそれは伝わったんだろうか。


ワタシは原作どおりに皆に彦四郎を見送ってほしかったです。
母にも、兄にも、八重にも、息子・市太郎にも、上役だった御徒士組頭(鈴木ヒロミツ)にも。
御徒士組頭に、
「見よ、うぬが弟は天下一の侍ぞ。われら御徒士の矜(ほこり)ぞ。」
と言ってもらいたかったです。
勝海舟に見送られるよりそのほうがずっとよかったじゃないか。
原作では勝海舟を叱り飛ばす勢いなんだぜー。

出立のとき、刀鍛冶から、偽物の家紋康継のかわりに
彦四郎のために特別に作ってくれた立派な刀を貰うシーンもなくて。
錆を落とすのに研いで刀身の痩せてしまった刀を受け取って
「俺もお前も偽者か…」
と呟くやるせないシーンになってしまってたのはショック。。

家族にも知れず、
まして心から愛しているはずの「武士の妻」である八重にも偽りを言っていくなんて。
真っ正直な彦さんの武士道っぽくない、とワタシは思う。
なんか全然普通のストイックな恋人同志のシーンみたいだった…


そしてこれは批難承知で申しますが。
森迫永衣ちゃん演じる死神と彦四郎の仲の良さを強調しすぎです。
そういうプロモーションが必要だと判断した時点でこの映画は負けたんだと思う。
そういうつくりにするべきではなかった。
はっきり言ってあれで原作の良さがぶち壊しになったんじゃないかと思います。

おつやは可愛かったです。
永衣ちゃんもさすが名子役、という演技だったのでしょう。
個人的にはそれほどとは思いませんでしたが
なかなか9歳で自然に演じるというのは難しいでしょうから
天才子役なのは確かなんだと思います。

だからといって
話題の永衣ちゃんをフィーチャーしないと客に受けない、
みたいな判断で映画つくるのはおかしい。

ワタシはどうも公開前から
「彦四郎に恋をする死神少女、その愛の行方は?」
みたいな宣伝の仕方してるのが???だったんですが。

だって話の筋とか小説のテーマはそういうところじゃないですから(^_^;

ワタシは心中するとかなんとかいうの、すごく違和感ありましたよ~
彦四郎が果てたあとと思われる、おつやの
「おじちゃん、あたしをおいて…」のくだりも
余計なシーンだと思うんだけどなぁ。
余計と言えばラストの
浅田次郎が出てきて現代に残る祠から
「おじちゃんは輝いていたんだよ」
って、アレも余計ですよーー…
どうしてああいう演出したいのかまるっきり理解できない(^_^;

ちなみ、原作は出立するところで終わってるので
彰義隊の激戦も、彦四郎の討死も描かれていません。
映像作品としてはなかなかそうもいかないのかもしれないので
戦いのシーンを入れたのは納得できないわけではないんですが
見せ方もう少し考えてくれてもよかったかなーとは思った…

とまあ、そんなわけでいいとこ60点。

はぁ。
なんかちょっとがっかりした。。。

うまく撮れば妻くんの一番の代表作になったかもしれないのにね。。。
もったいないなぁ。
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